【ポカリじゃダメなの!?】経口補水液の正しい使い方教えます!

脱水
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こんにちは、「薬Talk」編集長Noriです!

先日、友人が夏フェス帰りに言ったんです。「ヤバい…めっちゃ具合悪いからポカリ飲んだらマシになった!」
…うん、それ、ギリ及第点。でもね、脱水レベルだったらポカリじゃなくて“あれ”を飲んでほしかった!

そう、「経口補水液」です。

実は、使いどころを間違えると「ただのしょっぱい飲み物」で終わってしまう経口補水液。
今回はその正体と正しい使い方、意外と知られていないNG例、実際に起きた出来事まで、薬剤師の視点でしっかり解説します!


経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)とは、水分だけでなく、電解質(ナトリウム・カリウム)を素早く体に吸収させるための医療用飲料です。

簡単に言えば、
👉 「脱水時に体をすばやく救う、飲む点滴」 です。


以下のような “すでに脱水の兆候があるとき” に飲むのが正しい使い方です。

  • 熱中症やその一歩手前(めまい・立ちくらみ・頭痛)
  • 発熱・嘔吐・下痢(胃腸炎など)
  • 大量の汗をかいた後(スポーツ、仕事、屋外作業)
  • 高齢者の水分不足によるふらつき・食欲低下
  • 朝起きたときに「頭痛+だるさ」があるとき

💡ポイント:「病気のとき」や「体調が悪くなったときに飲む」ものであって、普段の水分補給には不向きです!


脱水時は胃腸が弱っていることが多いため、数口ずつ、こまめに飲むのが◎

  • 軽い脱水時:500〜1000mL/日を目安に
  • 発熱・下痢がひどいとき:医師・薬剤師の指導のもと調整
  • 腎不全・心不全など水分制限がある人は注意が必要!

商品名特徴備考
OS-1(大塚製薬)医療用に近い組成、信頼性◎ドラッグストア・薬局で購入可
アクアソリタマイルドな味、飲みやすい小児・高齢者向けにも◎
経口補水液W(明治)甘さ控えめ、クセが少ないコンビニ・スーパーでも見かける
アクエリアス 経口補水液やや甘めで飲みやすい、手に入りやすいスポーツドリンクと混同しないよう注意
自作ORS自宅で簡単に作れるが、配合は自己責任正確な分量を守らないと効果が落ちる

💡基本的に、「濃くてまずいほど効く」傾向があります(笑)
でも、無理して飲めないと意味がないので、飲みやすさとのバランスも大事です!


→ 電解質過剰でむしろ体に負担。塩分・糖分の摂りすぎになることも。

→ 経口補水液は**“脱水してから”使うもの**。
 運動前なら水+少量の塩タブレットやスポドリでOK!

→ お茶は利尿作用があるため、むしろ逆効果の可能性


「体にいいから毎日飲んでる」という方、ちょっと待って!

⚠️ 起こりうる体調トラブル

  • 高ナトリウム血症(口渇・血圧上昇・だるさ・頭痛)
  • 血糖上昇(糖分多めなので糖尿病の人は要注意)
  • むくみ・心不全の悪化(心疾患・腎疾患の方は注意)
  • 下痢(一気飲みや自作失敗で浸透圧異常)

以前、薬局に来た50代の男性。

「脱水対策に毎日OS-1飲んでるんですけど、最近なんか気持ち悪くて…」と相談に。

詳しく聞くと、普段は空調の効いた職場で運動もなし。
つまり全く脱水してないのに“毎日OS-1”をゴクゴク。

結果、体内のナトリウムや糖分が軽く過剰状態になっていた可能性があり、
「水や麦茶中心に戻すだけで体調が改善」しました。


家庭で作ることもできます。
レシピ(WHO推奨):

  • 水:1リットル
  • 食塩:3g(小さじ0.5)
  • 砂糖:20g(大さじ2強)

ただし、正確な計量が大前提!
少しでも分量がズレると「まずいだけで効かない飲み物」になってしまいます。
基本は市販品をおすすめします。


経口補水液は、**薬と水の間にある“医療飲料”**です。
脱水のときは強力な味方。でも、タイミングと量を誤れば、逆に体に負担をかけてしまうこともあります。

ふだんは水や麦茶、いざというときに経口補水液。
正しい知識で、あなたの体を守りましょう!


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