ブイタマークリーム(タピナロフ)1%と0.5%の使い分け|12歳が境目・8週/12週で効果判定・毛包炎の指導【添付文書2026年9月改訂】

ブイタマークリーム(タピナロフ)1%と0.5%の使い分け|12歳が境目・8週/12週で効果判定・毛包炎の指導【添付文書2026年9月改訂】 医薬品
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。管理薬剤師を経て、現在はチェーン薬局の本社部門で店舗運営支援を担当しています。

ブイタマークリーム(タピナロフ)は、いまは1%と0.5%の2規格です。0.5%は12歳未満の小児のアトピー性皮膚炎用として2026年9月16日に承認され、添付文書は2026年9月改訂(第6版)で0.5%が加わり、1つの添付文書になりました。

0.5%は、まだ発売日が出ていません(2026年10月21日時点)。添付文書第6版の0.5%の「販売開始年月」は空欄で、塩野義製薬の承認発表(2026年9月16日)と製品ページにも発売日・薬価の記載はありませんでした。発売・薬価収載までは、12歳未満のアトピー性皮膚炎にブイタマーを処方できる規格はまだ流通していないことになります。

発売当初の「12歳未満にはブイタマーが使えない(規格を問わず)」という説明は、いまの添付文書とは合いません(1%の用法が12歳以上なのは今も同じです)。処方監査と交付で押さえる点を、添付文書の項目番号つきで整理しました。

2規格1%と0.5%境目は12歳
1日1回適量を患部に塗布1%・0.5%とも
8週/12週改善がなければ中止アトピー8週・乾癬12週

1%と0.5%——効能と年齢で分かれる

ブイタマークリーム1%ブイタマークリーム0.5%
タピナロフ(1g中)10mg5mg
効能又は効果(4.)アトピー性皮膚炎/尋常性乾癬アトピー性皮膚炎
用法及び用量(6.)アトピー性皮膚炎:成人及び12歳以上の小児に1日1回
尋常性乾癬:成人に1日1回
アトピー性皮膚炎:12歳未満の小児に1日1回
有効期間24箇月30箇月
販売開始2024年10月添付文書では空欄(承認2026年9月16日)
包装(22.)15g×1本、15g×10本(両規格とも)
貯法・規制区分室温保存・処方箋医薬品
禁忌(2.)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ブイタマークリーム1%/0.5% 添付文書(2026年9月改訂 第6版)。製造販売元(輸入)は塩野義製薬株式会社(26.1)。文献請求先・問い合わせ先は鳥居薬品株式会社(24.)

処方監査で見るのは、年齢と規格の組み合わせです。

  • 12歳未満に1%:用法・用量は「成人及び12歳以上の小児」。12歳未満の用法は0.5%
  • 12歳以上に0.5%:0.5%の用法・用量は「12歳未満の小児」
  • 尋常性乾癬に0.5%:0.5%の効能はアトピー性皮膚炎のみ
  • 尋常性乾癬の小児:1%の乾癬は「成人」。小児等を対象とした臨床試験は実施していない(9.7)
  • 2歳未満のアトピー性皮膚炎:0.5%の用法は「12歳未満の小児」で下限の年齢は書かれていませんが、低出生体重児・新生児・乳児・2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない(9.7)。0.5%の試験の対象は2歳以上12歳未満でした(17.1.3)

上の4つ目までは用法・用量または効能の範囲外なので、処方意図を処方医に確認します。2歳未満は範囲内ですが試験がないため、確認しておくのが安全です。0.5%の発売前に12歳未満へ1%が処方された場合も、用法・用量の範囲外として処方意図を確認します。

アトピー性皮膚炎の子が12歳をまたぐと、用法・用量上は1%の対象になります。継続処方で規格が変わっていなければ、処方医に意図を確認します。

8週・12週で「効いているか」を見る

7.1 症状が改善した場合には継続投与の必要性について検討し、漫然と長期にわたって使用しないこと。
7.2〈アトピー性皮膚炎〉治療開始8週間以内に症状の改善が認められない場合は、使用を中止すること。
7.3〈尋常性乾癬〉治療開始12週間以内に症状の改善が認められない場合は、使用を中止すること。

この期間は、添付文書17.1に記載の試験の主要評価時点(アトピー性皮膚炎8週・尋常性乾癬12週)と同じです(17.1)。交付時には「すぐ効く薬ではないが、いつまでも様子を見る薬でもない」と伝え、開始日を薬歴に残して、8週・12週の時点で効果を確認します。

副作用は毛包炎とざ瘡——小児(0.5%)の試験では低かった

添付文書の「11.2 その他の副作用」で5%以上に入っているのは、適用部位毛包炎(15.3%)と適用部位ざ瘡です。添付文書17.1に記載の試験ごとの副作用を並べると、規格と対象年齢で頻度がかなり違います。

試験(対象)規格・期間副作用発現割合主な副作用
アトピー性皮膚炎 12歳以上(17.1.1)1%・8週+継続16週44.2%適用部位毛包炎15.6%、頭痛11.1%、適用部位ざ瘡8.5%
アトピー性皮膚炎 12歳以上・長期(17.1.2)1%・52週61.5%適用部位毛包炎17.9%、適用部位ざ瘡16.2%、頭痛13.7%
アトピー性皮膚炎 2歳以上12歳未満(17.1.3)0.5%・8週+継続52週14.3%適用部位毛包炎4.5%、ざ瘡3.9%
尋常性乾癬 18歳以上(17.1.4)1%・12週+継続12週44.0%適用部位毛包炎13.3%、接触皮膚炎12.7%
尋常性乾癬 18歳以上・長期(17.1.5)1%・52週55.4%適用部位毛包炎19.0%、接触皮膚炎14.4%
添付文書 17.1 臨床成績の各試験の記載から。試験ごとに対象・期間が違うため、数字どうしを直接比べることはできません。0.5%の試験は対象年齢が低く(2歳以上12歳未満)、低い頻度を濃度の差とは言えません

交付のときに伝えることは3つです。

  • 塗ったところに毛穴のブツブツ(毛包炎)やにきび(ざ瘡)が出ることがある。出たら自己判断で続けず相談
  • 1%の試験では頭痛の報告もある(17.1.1・17.1.2)
  • 乾癬ではかぶれ(接触皮膚炎)が多かった(17.1.4・17.1.5)

塗ってはいけない場所と、皮膚感染症

  • 粘膜、潰瘍、明らかに局面を形成しているびらん等への塗布は避ける(14.1.1)
  • 万一、眼に入った場合は直ちに水で洗い流す(14.1.2)
  • 皮膚感染症を伴う患者では、感染部位を避けて使う。やむを得ず使う場合は、あらかじめ抗菌剤・抗ウイルス剤・抗真菌剤で治療するか、併用を考慮(9.1.1)

とびひやヘルペスなどの感染症が重なっていそうなときは、その部位に塗らないよう伝え、処方医に感染症の治療の有無を確認します。

妊婦・授乳婦

  • 妊婦:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用(9.5)。動物実験(皮下投与)で、ラットでは臨床曝露量の299倍で胎児体重の低値・骨格変異(鼻骨不完全骨化)の増加、ウサギでは29倍で母動物の体重増加量の減少と、胎児死亡・骨格変異の軽度な増加が報告されている
  • 授乳婦:治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討(9.6)。動物実験(ラット、皮下投与)で乳汁中への移行が報告されている

作用機序——AhRを活性化する

タピナロフは、リガンド依存的な転写因子である芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することにより、種々の遺伝子発現を調節する。本作用機序に基づき、炎症性サイトカインを低下させ、抗酸化分子の発現を誘導して、皮膚の炎症を抑制するとともに、皮膚バリア機能を改善する。

ステロイド外用薬とは別の仕組みで、炎症を抑えることと、皮膚バリア機能の改善の両方が作用機序として書かれています。

交付時のチェックリスト

  • □ 年齢と規格:12歳未満のアトピーは0.5%、12歳以上は1%。乾癬は成人の1%のみ
  • □ 2歳未満ではないか(試験なし)
  • □ 1日1回。開始日を薬歴に残し、アトピー8週・乾癬12週で効果を確認
  • □ 毛包炎・ざ瘡(1%の試験では頭痛、乾癬では接触皮膚炎も)が出たら相談
  • □ 0.5%は発売・薬価収載の状況を確認(2026年10月21日時点で発売日の公表なし)
  • □ 粘膜・潰瘍・びらんには塗らない。眼に入ったら水で洗う
  • □ 皮膚感染症の部位は避ける
  • □ 妊娠・授乳の有無

まとめ

  • ブイタマーは1%(12歳以上のアトピー・成人の乾癬)と0.5%(12歳未満のアトピー)の2規格
  • 1日1回。アトピー8週・乾癬12週で改善がなければ中止
  • 副作用は適用部位の毛包炎・ざ瘡が中心。2歳以上12歳未満の0.5%の試験では副作用発現割合14.3%(対象年齢が違うため濃度の差とは言えない)
  • 0.5%は2026年9月16日承認。10月21日時点で発売日は未公表
  • 粘膜・潰瘍・びらんは避け、皮膚感染症の部位には塗らない

出典

  • ブイタマークリーム1%/ブイタマークリーム0.5% 添付文書(PMDA 340018_2699717N1028_2_02、2026年9月改訂 第6版)2、3.1、4、6、7、9.1.1、9.5〜9.7、11.2、14.1、17.1.1〜17.1.5、18.1、22、24、26.1
  • 塩野義製薬 プレスリリース「『ブイタマー®クリーム』の国内における小児(12歳未満)アトピー性皮膚炎に対する用法・用量追加の製造販売承認取得について」(2026年9月16日)
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