【2025年6月新薬まとめ】ベルスピティ錠ほか注目の10製品が承認へ!現場で役立つポイントをわかりやすく解説

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こんにちは、『薬Talk』編集長Noriです!

2025年6月4日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会で、計10製品の新薬・新効能が承認されました。今回はその中から、臨床現場で注目されるべきポイントをぎゅっとまとめてお届けします!


分類:S1P受容体調節薬
適応:中等症〜重症の潰瘍性大腸炎(UC)※既存治療で効果不十分な場合
用法用量:成人に1日1回2mg経口投与
規格:2mg錠
特徴:S1P受容体サブタイプ1,4,5に選択的。リンパ球の末梢血中流出を抑制し、炎症を制御します。
コメント:UC治療の新たな選択肢。既存の「ゼポジア」との使い分けが注目されます。


分類:ベンゾジアゼピン系抗けいれん薬
適応:てんかん重積状態(成人でも医療機関外で使用可)
用法用量:年齢・体重で調整し、5〜20mgを鼻腔内投与。必要時4時間以上あけて2回目可
規格:5mg、7.5mg、10mg
特徴:国内初の経鼻投与型抗けいれん薬。成人の“レスキュー薬”として期待大
コメント:注射や坐薬に代わる選択肢。携帯性・即効性も魅力。


③ ゼオマイン注用(インコボツリヌストキシンA/帝人ファーマ)

分類:A型ボツリヌス毒素製剤
適応:慢性流涎(新適応)
用法用量:合計100単位を耳下腺・顎下腺へ分割注射。投与間隔は16週以上
規格:50、100、200単位
特徴:「筋注用」から「注用」に変更予定。唾液分泌を抑える作用。
コメント:特にALSや脳性麻痺の患者さんで有用。痙縮対応薬としても既に知られています。


分類:皮下注用免疫グロブリン+ヒアルロニダーゼ
適応:CIDP、MMNの運動機能低下の進行抑制
用法用量:3〜4週間に1回、皮下投与(rHuPH20前投与)
規格:5g/50mL、10g/100mL、20g/200mL
特徴:大量IgGの皮下注を可能に。患者のQOL向上に期待。
コメント:在宅治療が現実的に!今後の需要増が予想されます。


分類:短時間作用型ベンゾジアゼピン系鎮静薬
適応:「消化器内視鏡診療時の鎮静」
用法用量:成人に3mg静注。追加は2分以上空けて1mgずつ投与
規格:20mg、50mg
特徴:高い安全性+速効性。米欧でも承認済み
コメント:内視鏡での鎮静はニーズ高。“安全に眠らせて、安全に覚ます”を実現。


分類:5-ASA製剤
適応:潰瘍性大腸炎(重症を除く)小児用量追加
用法用量:体重に応じて40〜80mg/kg(上限2400〜4800mg)を1日1回食後投与
規格:600mg、1200mg錠
特徴:徐放性。1日1回投与でアドヒアランス向上
コメント:UC小児対応の新たな一歩。現場のニーズに合った改良です。


分類:酵素補充療法(遅発型ポンペ病)
適応:ミグルスタットとの併用療法
用法用量:体重・病態に応じて投与
規格:105mg
特徴:酵素の細胞内取り込みを改善。希少疾病用
コメント:患者数は少ないですが、待ち望まれていた選択肢。


分類:酵素安定化剤
適応:ポムビリティとの併用でポンペ病治療
用法用量:酵素療法に準じて使用
規格:65mgカプセル
特徴:GAA酵素の安定性を高め、治療効果を補強
コメント:「補助剤」ではあるけれど、主役を支える重要プレイヤー。


分類:RNAi治療薬
適応:ATTR-CM(野生型・変異型)
用法用量:25mgを3カ月に1回皮下注
規格:25mgシリンジ
特徴:TTRの生成をRNAレベルで抑制
コメント:経口TTR安定化薬とは異なるアプローチ。今後の主流となるかも。


分類:アクチビンシグナル伝達阻害薬
適応:肺動脈性肺高血圧症(PAH)
用法用量:初回0.3mg/kg、以降0.7mg/kgを3週ごとに皮下注
規格:45mg、60mg
特徴:PAHの根本原因に挑む新薬。ZENITH試験でも有効性を示す
コメント:希少疾患ながら死亡率の高いPAH。選択肢の拡大が患者に光をもたらします。


ヤンセンの抗IL-23抗体「トレムフィア」が、UCに続きCDにも効能追加。皮下注は初回400mg→4週→8週→以降100〜200mgで継続投与。スキリージやオンボーとの違いを意識した使い分けが必要ですね。


今回の新薬10製品は、どれも「今の医療が必要としている」ニーズに応えるようなものばかりでした。UC、てんかん、PAH、免疫、希少疾患…と幅広い領域に渡っています。

今後も『薬Talk』では、こうした新薬情報を「わかりやすく、すぐに役立つ」形でお届けしていきます!


※当記事は2025年6月6日時点の情報をもとに作成しています。実際の使用にあたっては添付文書・インタビューフォーム等を必ずご確認ください。

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