こんにちは、『薬Talk』編集長のNoriです!
今回はちょっと“薬剤師あるある”では済まされないお話。
えぇ、ついにやってきました。人生で一度は経験したくないやつ。
尿路結石です。
薬剤師なのに? いや、薬剤師だからこそ…?
どちらにせよ、始まりはある夕方のささやかな違和感からでした。
目次
あれ…これ、腰?腎?それとも運命?
その日、いつも通り働いていた私。ふとした瞬間に腰にズーン…と重み。
「うーん、ギックリ腰?無理な姿勢だったかな?」と軽く考えていたのですが、
なーんか違う。痛みの“質”が違うんですよ。重く、鋭く、芯にくる感じ。
でもまあ、動ける。しゃがめる。薬出せる。
ってことで、仕事は休まず頑張るスタイル。これがいけなかった…?
坐薬の屈辱、薬局の孤独
しかし、業務終了間際にはもう限界。
痛みはじわじわ増し、目の奥がキューンとなる感覚に耐えかねて、近所のクリニックへ。
尿検査、エコー…そしてついに下される診断。
「尿路結石ですね〜」
あ、やっぱりそっちか。
坐薬入れますね〜ってことで、
優しそうな看護師さんが、ていねいに、…ええ、挿入。
痛い。心も。
それなのに全然効かない!坐薬あるある。
しかも出された処方が、まさかの「自分の薬局には在庫なし」。
泣く泣く、隣の薬局へ処方箋を持参。
出された薬は──
- ウロカルン(利尿&排石サポート)
- コスパノン(尿路のけいれん緩和)
- ボルタレン坐薬(おかわり)
痛みに耐えながら待つ薬局の時間は、もう異次元レベルに長く感じるんです。
でも、しっかり丁寧に対応してもらって、ありがたかった…薬剤師仲間に感謝!
誰もいない薬局、ひとりジャンプする男
薬を受け取り、自局に戻ると──
スタッフ全員、すでに帰宅済み。
痛みに耐えながら、静まり返った薬局でひとり帰り支度をする私。
哀愁ってこういうことを言うんですね。
「振動で石が動くかも」という噂を信じて、
ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ。
人目もないのをいいことに、薬局のバックヤードでウサギのように跳ね回る。
…そして、しばらくすると。
「あれ、痛くない……?」
帰る頃には鈍痛も消えて、まるで何事もなかったかのように通常運転。
人間って、不思議。
尿路結石ってどんな病気?
● そもそも「尿路結石」とは?
腎臓、尿管、膀胱、尿道など尿の通り道に石(結晶)ができる疾患。
特に痛みが強いのは「尿管結石」です。
● 主な原因
- 水分不足(脱水は大敵!)
- シュウ酸・カルシウム・プリン体の多い食事
- 動物性たんぱく質や脂質の摂りすぎ
- 運動不足・長時間座位
- ストレス・睡眠不足
\ここ重要!/
今回の私の場合は、出張が続いていて、食生活の乱れ・水分不足が原因っぽいです…。
● 症状の特徴
- 突然の背中〜わき腹の激痛
- 吐き気・嘔吐
- 血尿
- 排尿時の違和感
私は幸い「激痛タイプ」ではなかったけど、痛みの王様と呼ばれるレベルの発作もあります。
● 予防法
- 1日2L以上の水分補給
- 塩分・たんぱく質・シュウ酸の摂りすぎに注意
- 運動とストレスケア
- 結石の種類によっては食事療法も有効
結論:石は突然に。体に優しく、ジャンプは計画的に。
今回は、薬剤師である私自身が「患者」になって実感した、尿路結石のつらさと教訓をお届けしました。
ジャンプが効いたのか、坐薬が遅れて効いたのかは謎のままですが、
少なくとも「水を飲もう」「食生活、見直そう」と心に誓った夜でした。
薬局って、働く側も健康が資本。
読者の皆さんも、ぜひお水をこまめに飲んで、「石持ち」にならないよう気をつけてくださいね!
それではまた、『薬Talk』でお会いしましょう。
編集長Noriでした!
(次は“石なし”でお届けしたいと思います…!)
✅ 参考文献
- 日本泌尿器科学会|尿路結石症 診療ガイドライン
https://www.urol.or.jp/ - MSDマニュアル プロフェッショナル版|尿路結石症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/腎および泌尿器疾患/尿路結石症/尿路結石症 - e-ヘルスネット(厚生労働省)|尿路結石症
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-054.html - ツムラ漢方処方解説|五苓散、牛車腎気丸
https://www.tsumura.co.jp/tekisei/html/ - 日本OTC医薬品協会|OTC医薬品で対応できる症状:泌尿器系
https://www.jsmia.gr.jp/
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