こんにちは、『薬Talk』編集長、薬剤師のNoriです!
さて今回は、前回の記事「尿路結石、ジャンプで解決!?」の続編的コラム。
「実際に患者さんにどうアドバイスするか?」という薬剤師視点で、OTC薬の選び方や生活指導のポイントをぎゅっとまとめてお届けします。
「石持ち患者さん」が来たとき、あなたの説明がその人を救う…かも!
目次
1. OTCで対応できる?尿路結石の基本
尿路結石の痛みは基本的に医療機関での診断・処方が優先です。
ですが、軽度な不快感や再発予防、診察までの間のセルフケアではOTC薬+生活改善も重要な選択肢になります。
2. 尿路結石に関わるOTC薬(市販薬)
● 鎮痛剤(痛みを和らげたいとき)
- ロキソニンSシリーズ(第一類)
→即効性あり。痛みが強いときに。 - イブA錠、バファリン(第二類)
→マイルドに対応。症状が軽い場合に。
※「痛みが続くなら必ず受診を」とセットで説明を。
● 利尿作用のある漢方薬
- 五苓散(ごれいさん)
→体内の“余分な水”を出す。軽い浮腫みや尿トラブルに。 - 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
→腎機能を助けながら利尿を促進。
※患者が高血圧・心疾患・腎障害などの既往を持つ場合は要注意。
● 泌尿器系の健康維持用サプリメント(あくまで補助)
- クランベリーエキス(膀胱炎予防に近い立ち位置)
- クエン酸配合ドリンク(pH調整による結石予防効果)
3. 患者さんへの生活指導ポイント
● 水分摂取の習慣化
- 1日2〜2.5Lの水を目安に。
- 「のどが渇く前に飲む」を意識。
- 寝る前や運動後、起床後の一杯も大事!
👉「水分をこまめに摂る」=結石予防の鉄則!
● 食事で気をつけたいこと
避けたい食品 | 理由 |
---|---|
ほうれん草、タケノコ | シュウ酸が多く、カルシウム結石の原因に |
チョコレート | シュウ酸+脂質のWパンチ |
動物性たんぱく | 尿を酸性にし、尿酸結石のリスク増 |
塩分の多い食品 | カルシウムの尿中排出を増やす |
※「全部ダメ!」ではなく、摂りすぎ注意&バランス重視で。
● 運動と排尿習慣
- 適度な運動で代謝と排出を促進
- 排尿を我慢しない(尿をためると結石ができやすくなる)
- トイレ後の色チェック:濃ければ水分不足のサイン!
4. 再発予防には「石の種類の把握」も大切
- カルシウム結石(最も多い)→ 食生活と水分が重要
- 尿酸結石 → 高尿酸血症との関連あり(プリン体注意)
- シスチン結石 → 遺伝性でまれ、専門管理が必要
👉病院で分析してもらったら、種類を記録に残しておくと指導に活きます!
5. 最後に:石と向き合う人に寄り添う薬剤師であれ!
結石は誰にでも起こりうる“生活習慣病的側面”をもつ疾患。
一度なった人は「またあの痛みはイヤだ」と思ってます。
だからこそ、
「水はちゃんと飲んでますか?」
「最近おしっこの色どうですか?」
といった声かけで、再発防止の意識づけができるのは、
まさに薬剤師の腕の見せどころ!
患者さんにとって、“薬をもらう”以上の価値を提供できる存在でありたいですね。
それではまた、『薬Talk』でお会いしましょう!
編集長Noriでした!
🔍 参考文献(患者説明・指導に役立つサイト)
e-ヘルスネット(厚生労働省):「尿路結石症」:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
日本泌尿器科学会 尿路結石症ガイドライン(https://www.urol.or.jp/)
MSDマニュアル「尿路結石症」:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/