ブイタマークリーム1%登場|アトピー・乾癬の新しい外用治療薬を徹底解説

医薬品
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こんにちは、『薬Talk』編集長、薬剤師のNoriです!

皮膚科外用薬の世界にまたひとつ新しい仲間が登場しました。
それが、「ブイタマークリーム1%(有効成分:タピナロフ)」 です。

従来のビタミンD外用薬やステロイド、免疫抑制薬とは違う全く新しいメカニズムで働きます。
今回は薬剤師目線で、適応、作用機序、使用方法、副作用、服薬指導ポイントまで わかりやすく解説します!


項目内容
製品名ブイタマークリーム1%(VTM03-D04)
有効成分タピナロフ10mg/g
製造販売元鳥居薬品・丸石製薬
承認日2024年6月24日
発売日2024年10月29日
薬価132.7円/g
包装15g×1本、15g×10本
保管室温保存、有効期限24ヶ月
保険新医薬品14日制限(2025年8月末まで)

👉 新登場の外用アトピー・乾癬治療薬です!


ブイタマークリームは、以下の2疾患に適応を持ちます。

  • アトピー性皮膚炎(成人・12歳以上の小児)
  • 尋常性乾癬(成人)

👉 12歳未満は使用不可。その他湿疹や皮膚炎には適応外 です。


ブイタマーの最大の特徴は「芳香族炭化水素受容体(AhR)」という新しいターゲットです。

作用の流れ

  • AhR活性化
  • IL-4・IL-17A等の炎症性サイトカイン抑制
  • 抗酸化分子NQO1発現促進 → 酸化ストレス軽減
  • バリア機能改善(経皮水分蒸散量低下)

👉 皮膚の炎症とバリア障害を同時に改善する二重の効果 が期待されています。


  • 1日1回、適量を患部に塗布
  • アトピー性皮膚炎では8週間、乾癬では12週間以内に改善評価

塗布量の目安(FTU換算)

部位FTUg換算
顔全体0.5FTU約0.25g
両手1FTU約0.5g
両腕3FTU約1.5g
両脚6FTU約3g
胴体8FTU約4g
全身12FTU約6g

👉 厚塗り不要。薄く均一に広げるだけでOK です。


副作用発現率
適用部位毛包炎13〜19%
適用部位ざ瘡8〜16%
頭痛11〜14%
接触皮膚炎5〜14%
乾癬悪化・アトピー悪化5〜10%

👉 毛包炎・ざ瘡がやや多め。長期的な全身リスクは低い。


対象注意点
小児(12歳未満)使用不可
妊婦有益性投与(動物試験で胎児毒性報告あり)
授乳婦有益性考慮して投与

薬剤作用機序特徴注意点
ステロイド抗炎症即効性高い長期リスク
プロトピックT細胞抑制ステロイド回避刺激感強い
コレクチムJAK阻害比較的新しい感染注意
ブイタマーAhR活性化バリア+炎症改善毛包炎注意

  • 1日1回、薄く均一に塗ってください(テカる程度)
  • 擦り込まず、軽く広げるだけでOKです
  • 目・傷・粘膜には使わないでください
  • 治療開始から約2〜3ヶ月で効果判定
  • 毛穴のブツブツ(毛包炎・ざ瘡)が出る可能性あり

ステロイド、プロトピック、コレクチムに続く「第4の外用薬」として今後の使用が期待されるブイタマー。
炎症だけでなく皮膚バリアまで同時に整える点が新しい治療戦略です。
現場薬剤師として適応・副作用・塗布量をしっかり押さえておきたいですね!


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