クラリス・ジスロマック・フロモックスはジュースに混ぜていい?|小児用抗菌薬11製品の添付文書「適用上の注意」と保護者への説明

ジスロマック・フロモックス・ケフラール細粒はジュースに混ぜていい?|小児用抗菌薬の添付文書「適用上の注意」と保護者への説明 小児・妊婦・授乳婦
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。管理薬剤師を経て、現在はチェーン薬局の本社部門で店舗運営支援を担当しています。

「粉薬、オレンジジュースに混ぜてもいいですか?」——小児科の処方で毎日のように聞かれます。抗菌薬の細粒・ドライシロップは、製品によって添付文書の書き方が違います。苦味を防ぐコーティングがあるもの、混ぜると力価が下がるもの。薬局で答えるときの根拠を、添付文書の「14. 適用上の注意」から並べました。

酸性飲料ジスロマック細粒・クラリスDSは避けるオレンジジュース・スポーツ飲料など
力価低下フロモックス小児用細粒混ぜたら速やかに
放置しないケフラール細粒小児用牛乳・ジュースに懸濁したまま

添付文書に書いてあること(小児用の抗菌薬)

製品添付文書の記載(主に14. 適用上の注意)
ジスロマック細粒小児用10%(アジスロマイシン)主薬の苦味を防ぐコーティングが施してあるので、水又は牛乳等の中性飲料で速やかに服用。酸性飲料(オレンジジュース、乳酸菌飲料及びスポーツ飲料等)で服用したり、噛んで服用した場合には苦味が発現することがあるので、避けることが望ましい(14.2)。調剤時につぶした場合も苦味が発現することがある(14.1)
クラリスドライシロップ10%小児用(クラリスロマイシン)酸性飲料(オレンジジュース、スポーツ飲料等)で服用することは避けることが望ましい。有効成分の苦味を防ぐための製剤設計が施してあるが、酸性飲料で服用した場合には苦味が発現することがある(14.1.3)。用時調製の製剤なので調製後の保存を避け、やむを得ず保存する場合は冷蔵庫に保存し、できるかぎり速やかに使用。使用時、十分に振り混ぜる(14.1.2)
フロモックス小児用細粒100mg(セフカペン ピボキシル)主薬の苦みを防ぐ製剤なので、つぶしたり、溶かしたりすることなく、水等で速やかに服用(14.1.1)。やむを得ず牛乳、ジュース、水等に懸濁する必要がある場合には速やかに服用。時間の経過とともに力価が低下する(14.1.2)
ケフラール細粒小児用100mg(セファクロル)牛乳、ジュース等に懸濁したまま放置しない(14.1)
クラバモックス小児用配合ドライシロップ(ボトル製剤)水を2回に分けて加え激しく振り混ぜて調製。懸濁液に調製後は冷蔵庫(約4℃)に保存し、10日以内に使用。使用時、十分に振り混ぜる
バナンドライシロップ5%懸濁液に調製後は冷所に保存し、2週間以内に使用。使用時十分に振り混ぜる
エリスロシンドライシロップ水で懸濁液を調製する場合の量の記載あり。懸濁液調製後は冷蔵庫内に保存し、用時よくふりまぜて服用するよう指導
セフゾン細粒小児用10%食品・飲料との混合の記載はないが、粉ミルク、経腸栄養剤など鉄添加製品との併用で便が赤色調を呈することがある(15.1.1)
メイアクトMS小児用細粒、オゼックス細粒小児用、ワイドシリン細粒食品・飲料との混合についての記載は見当たらない
各製品の添付文書(PMDA)主に14. 適用上の注意から。記載がない製品は「混ぜてよい」という意味ではありません。クラリスロマイシンの後発品のドライシロップ(「サワイ」「トーワ」)も、14.1.2・14.1.3は同じ文言です

酸性飲料を名指しして「避ける」と書いているのは、今回確認した添付文書の中ではジスロマック細粒小児用とクラリスドライシロップ10%小児用の2つで、どちらもマクロライド系です。理由はどちらも苦味を防ぐ製剤設計で、酸性の飲み物で苦味が出る、という書き方です。例に挙がっている飲み物は少し違い、ジスロマックは「オレンジジュース、乳酸菌飲料及びスポーツ飲料等」、クラリスは「オレンジジュース、スポーツ飲料等」です。「噛まない」はジスロマックにだけ書かれています。フロモックスとケフラールはジュースを否定してはおらず、「速やかに飲む」「放置しない」という条件の書き方です。

混ぜるときの一般的な考え方

国立成育医療研究センター薬剤部の資料「粉薬と服薬補助食品の飲み合わせ」(2018年、日経ドラッグインフォメーションOnline 2010年掲載の抜粋を含む)の考え方を、要点だけ紹介します。

  • 酸性の飲み物は、顆粒剤やドライシロップのコーティングをはがして苦味を出すことがある
  • 味の濃い食品は、薬の苦味などを感じにくくする
  • 食品に混ぜたら、時間を置かずに飲ませる

この資料には製品ごとの「飲みやすい・飲みにくい」の一覧もあります(日経ドラッグインフォメーション2010年掲載からの抜粋)。製品の味や販売状況は変わることがあるので、最新の情報はメーカー資料で確かめてください。

保護者に伝えること

  • □ ジスロマック細粒小児用は、水や牛乳など中性の飲み物で。オレンジジュース・乳酸菌飲料・スポーツ飲料は避ける。噛まない
  • □ クラリスのドライシロップも、オレンジジュース・スポーツ飲料など酸っぱい飲み物は避ける。水に溶かしたものは作り置きせず、やむを得ず残すときは冷蔵庫に入れて早めに使い、使う前によく振る
  • □ フロモックス小児用細粒は、つぶさず・溶かさず水で。どうしても混ぜるならすぐ飲ませる
  • □ ケフラール細粒は、牛乳やジュースに混ぜたまま置いておかない
  • □ 食品や飲み物に混ぜた1回分は置いておかない(すぐ飲ませる)
  • □ 水で調製するドライシロップの懸濁液は、添付文書どおり冷蔵して期限内に(クラバモックス10日以内、バナン2週間以内、エリスロシンも冷蔵庫)。使う前によく振る
  • □ セフゾンを飲んでいて便が赤っぽくなっても、鉄入りの粉ミルクなどとの組み合わせで起こることがある

まとめ

  • 今回確認した添付文書の中で、オレンジジュースなど酸性飲料を避けると書いてあるのはジスロマック細粒小児用とクラリスドライシロップ10%小児用(どちらも苦味を防ぐ製剤設計のため)
  • フロモックスは混ぜると時間とともに力価が低下、ケフラールは懸濁したまま放置しない
  • 混ぜた1回分はすぐ飲ませる。水で調製する懸濁液は冷蔵・期限内(クラバモックス10日、バナン2週間)

出典

  • 添付文書(PMDA)14. 適用上の注意:ジスロマック細粒小児用10%(672212_6149004C1030_3_04)/フロモックス小児用細粒100mg(340018_6132016C1027_1_22)/ケフラール細粒小児用100mg(672173_6132005C1053_3_03)/クラバモックス小児用配合ドライシロップ(340278_6139100R1036_1_17)/バナンドライシロップ5%(430574_6132011R1078_1_10)
  • セフゾン細粒小児用10%(171911_6132013C1031_4_09)/メイアクトMS小児用細粒10%(780009_6132015C1103_1_12)/オゼックス細粒小児用15%(400022_6241010C1024_2_08)/ワイドシリン細粒(780009_6131001C1252_1_10)/エリスロシンドライシロップ(730869_6141001R1120_3_09)
  • クラリス錠50小児用/クラリスドライシロップ10%小児用(400059_6149003F1031_1_39、2026年3月改訂 第6版)/クラリスロマイシンDS10%小児用「サワイ」(300119_6149003F1090_1_22)/クラリスロマイシンDS小児用10%「トーワ」(480235_6149003F1210_1_14)。各製品の版は2026年10月31日にPMDAで最新であることを確認
  • 国立成育医療研究センター薬剤部「粉薬と服薬補助食品の飲み合わせ」(2018年)
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