「えっ、混ぜるの⁉」プロペト×ヘパリン類似物質軟膏、その謎のタッグに迫る!皮膚科で当たり前の“保湿レシピ”を薬剤師が徹底解説!

外用薬
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こんにちは、『薬Talk』編集長Noriです!

さて、ある日、門前皮膚科の処方箋を眺めていたら…
「ヘパリン類似物質軟膏50g+プロペト50g、混合調剤」
という処方に遭遇。

いやいやいや、ちょっと待ってくれ、と。
「混ぜちゃうの!?」「いや別々で良くない!?」「てか、そんなにプロペト多くて大丈夫!?」
と、心の中のツッコミが止まりません。


薬局内でも新人さんから、
「これ、何のために混ぜてるんですか?何か意味あるんですか?」
と質問されがちなやつです。

というわけで今回は、「プロペト×ヘパリン類似物質軟膏」の混合処方について、
・なぜ混ぜるのか?
・混ぜたら何が良くなるのか?
・逆に、混ぜない方がいい場合って?
などなど、薬剤師目線で本音解説していきます!

成分名特徴使用感
ヘパリン類似物質保湿(水分保持)+血行促進作用。皮膚のターンオーバー改善にも。ややさっぱり
プロペト白色ワセリンの精製品。強力な保湿(油分)で水分を逃がさない。がっつりベタつく

この2つ、方向性の違う保湿アプローチを持っています。
つまり、**水分を与えるタイプ(ヘパリン)+水分を閉じ込めるタイプ(プロペト)**のコンビ!


皮膚科で混ぜるのは、ほぼ以下の理由から:

  • 保湿力の底上げ:乾燥肌・アトピーで「ヘパリンだけじゃ足りない」場合に、プロペトの油分でロック!
  • 塗り心地の調整:「プロペト単体は重たすぎるけど、混ぜれば塗りやすくなる」チューニング処方
  • 時短&使いやすさ重視:「1本に混ざっていれば、患者が塗り忘れにくい」

いわばこれは、肌のためのオーダーメイド保湿ミックス


項目混ぜるメリット混ぜるデメリット
保湿力水分と油分のW保湿効果調整がしにくい
使用感ベタつき軽減・伸びやすい分離や変質の可能性
患者の使いやすさ1本にまとまり時短・忘れ防止医師の意図が見えづらくなることも

以下のようなケースでは、むしろ別々処方のほうが理にかなっています👇

  • 🧴 塗り分けしたい人(顔だけさっぱり、体はしっとり…など)
  • 使用タイミングを変えたい人(朝はヘパリン、夜はプロペト)
  • 🧳 在宅や長期保存が必要なケース(混合品は分離リスクあり)

とくに小児のアトピー、老人性乾皮症、乾燥肌の患者さんなどにおいて、
この混合はもう**“職人芸”レベルの保湿レシピ**として定番。

医師側の処方意図としては:

  • 塗り忘れ防止のために「1本にしたい」
  • 市販薬と同様の感覚で使ってもらいたい
  • 保湿だけじゃなく、軽い血行促進や皮膚代謝改善も加えたい

といった点が挙げられます。

  • 🧴 塗り分けしたい人(顔だけさっぱり、体はしっとり…など)
  • 使用タイミングを変えたい人(朝はヘパリン、夜はプロペト)
  • 🧳 在宅や長期保存が必要なケース(混合品は分離リスクあり)

混合軟膏(ヘパリン類似物質+プロペト)に関し、使用感と保湿力の両立を目的とした処方意図を説明。1日2回で継続使用を指導済。部位によりべたつきが気になる場合は別塗りで対応可能と案内。


処方パターン向いているケース
混合処方時短・塗り忘れ防止・保湿強化を狙うとき
別々処方使用感にこだわる人・塗り分け・調整が必要なとき

どちらにも正解があります。
大事なのは「なぜこう処方されたのか」を理解し、患者さんに合った指導ができること!


✅ 締めの文章(語りかけ口調で)

いかがでしたか?
「ヘパリン類似物質軟膏50g+プロペト50g」の混合処方、一見すると地味ですが、そこには皮膚科医の知恵とこだわりが詰まっています。

「なんで混ぜるの?」という素朴な疑問から始まり、使用感・保湿力・患者背景まで考慮されたこの“保湿カクテル”。
私たち薬剤師としても、その意図を汲み取り、適切に説明・提案できる力が求められます。

処方意図が見えると、ただの「白い軟膏」も少しだけ面白くなりますよね。
今日も調剤室の片隅で、「混ぜるか、混ぜないか」をちょっとだけ考えてみてください。

それではまた、次の記事でお会いしましょう!
『薬Talk』編集長Noriでした!


📚 参考文献

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