こんにちは、「薬Talk」編集長のNoriです!
薬歴のS(Subjective:主観情報)――
気づくと「患者メモ帳」になってません?
「鼻水出てる」「少し咳出てる」「眠い」「調子悪い」……
とりあえず患者が言ったことをそのままペタペタ貼り付ける。
そう、“会話実況中継”型Sです。
もちろん患者の言葉を書くのがSなんだけど、
ただのメモ帳で終わってると**「で、どこが問題?」が見えなくなる。**
目次
Sの役割をもう一度整理しよう
目的 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
主観情報の記録 | 患者が感じた症状・困りごと・思い・希望 | 「いつから」「どんなふうに」「何が困っているか」まで深掘る |
薬歴の種まき | その後のO・A・Pにつながる情報源 | 問題点の発見につながる“材料”を残す |
Sが「ただのメモ」になりがちなパターン
- 咳が出る
- 眠れない
- 食欲がない
- 薬はちゃんと飲んでいる
- 特に困っていない
……これ、情報としては薄い。
じゃあ、どう書けば「活きたS」になるの?
患者が言ったままを書くのではなく、
「5W1H+困りごとの深掘り」で書く。
S記載例1(風邪症状)
昨日から咳と鼻水が出現。痰は少なく透明。熱感は自覚なく、体温測定はしていない。既往に喘息あり。服薬中の薬はなし。市販薬の使用歴なし。
S記載例2(眠気の訴え)
先週から日中の眠気を強く感じる。夜は0時頃に寝て6時起床。夜間途中覚醒はない。最近運動不足が続いている。服薬変更は今月の降圧薬変更後から。
S記載例3(服薬状況)
内服は毎朝7時に服用。飲み忘れなし。昼食後に胃部不快感を時々感じるが服薬は継続できている。
Sに盛り込める“深掘りキーワード”
- いつから?
- どんな症状?(具体的に)
- 症状の変化は?
- 日常生活への影響は?
- 服薬への影響は?
- 既往歴・併用薬は?
- 患者の希望・不安は?
メモ帳Sを卒業する3ステップ
- 患者が言ったことをそのまま書かない
- 困っていること・気にしていることまで聞き出す
- 他のSOAP要素につながる「材料」を意識して残す
まとめ:Sは“患者の主観”+“問題点のタネ”を書く欄!
「とりあえず書いておく」Sは今日で卒業。
患者の“声”から問題発見につながる種を拾いましょう。
S=患者の声
O=薬剤師の観察
A=薬剤師の評価
P=薬剤師の計画
Sが充実すると、後のO・A・Pが楽になります。