ランニングと脱水症状:夏ランナー必見!正しい水分補給方法とタイミング

健康管理
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夏のランニングは、爽快な汗とともに体力・持久力を鍛える絶好の機会です。しかし、その裏側には「脱水症状」という大きなリスクが潜んでいます。特に秋のマラソンシーズンに向けて炎天下でも練習を続けるランナーや、夏のダイエット目的で走る方にとって、水分補給の知識は健康とパフォーマンス維持のために必須です。

この記事では、薬剤師の視点から「ランニングと脱水の関係」をわかりやすく解説し、さらに「脱水を起こさないための水分補給方法」と「脱水時の正しい対応」まで詳しく紹介します。最後まで読めば、夏のランニングを安全に乗り切るための実践的なノウハウが手に入ります。


ランニング中は体温が上昇し、それを下げるために発汗します。汗は体温調節のために欠かせませんが、同時に水分と電解質(ナトリウム・カリウム・マグネシウムなど)が失われます。

体重の2%の水分が失われただけで持久力は低下し、4%以上失われると熱中症や意識障害の危険が高まります。さらに、夏は湿度も高く、汗が蒸発しにくくなるため体温が下がりにくく、より早く脱水に陥ります。

脱水による主な影響

  • 心拍数の上昇 → 心臓への負担増大
  • 集中力低下 → フォームの乱れ、転倒リスク
  • 発汗量低下 → 体温上昇しやすくなる
  • 脚のつり(筋痙攣) → 電解質不足

ポイントは「喉が渇く前」に飲むことです。

  • 運動開始2時間前:コップ2杯(約400ml)の水分
  • 運動直前:コップ1杯(約200ml)の水分
    → 胃腸への負担を避けるため、冷たすぎない(5〜15℃程度)水がおすすめ。
  • 15〜20分ごとに100〜200mlを小分けに飲む
  • 長時間ランの場合は電解質入りのスポーツドリンクを活用
  • 失った水分量の1.2〜1.5倍を目安に摂取
  • 体重の変化を測定し、減少分をしっかり補う
  • 牛乳やプロテイン飲料は回復促進にも有効

💡 薬剤師のワンポイント
利尿作用のあるカフェイン飲料(コーヒー・濃い緑茶)は、運動直前や直後の大量摂取は控えましょう。


ランニング時の水分補給は、単なる「水」だけでなく、状況に応じた飲料選びが重要です。以下は代表的な補給飲料と特徴です。

飲料の種類特徴適する場面
カロリーゼロ、吸収が早い短時間・涼しい日のランニング
スポーツドリンク糖質・電解質を含む長時間・炎天下のランニング
経口補水液電解質高め、低糖質軽度〜中等度の脱水時
  • :短時間のジョギングや朝ランに最適
  • スポーツドリンク:糖質濃度4〜8%が理想(吸収スピードが速く胃負担が少ない)
  • 経口補水液:熱中症の初期対応に有効、普段の補給には塩分過多になることもあるので注意

もし走行中にめまい・頭痛・吐き気・異常な疲労感が出たら脱水の可能性大。

  • 日陰や涼しい場所で休む
  • 経口補水液を少しずつ摂取
  • 首・脇・足の付け根を冷やす
  • 無理に飲ませない
  • すぐ救急要請(熱中症の可能性)
  • 氷や冷却パックで体温を下げる

💡 薬剤師のワンポイント
マラソン大会や長距離練習では、経口補水液パウダーや塩タブレットを携帯しておくと緊急時に役立ちます。


5. 薬剤師がランナーに指導できるポイント

  • 水分だけでなく塩分・ミネラル補給の重要性を説明
  • 経口補水液とスポーツドリンクの違いを明確にする
  • 「飲みすぎ」も低ナトリウム血症のリスクになることを伝える
  • 体重測定で失った水分量を把握する習慣づけ
  • 夏場は朝晩の涼しい時間帯のランニングを推奨

まとめ

夏のランニングは心身を鍛える最高の時間ですが、「脱水症状」というリスクと隣り合わせです。
喉が渇く前に飲むこと、運動前・中・後の計画的な補給、そして状況に応じた飲料選びが、安全かつ効果的な夏ランの鍵となります。

秋のマラソンシーズンを最高のコンディションで迎えるためにも、今日から脱水予防の習慣化を始めましょう。


  • 日本体育協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック』
  • 厚生労働省『健康のための水分補給』
  • American College of Sports Medicine, “Exercise and Fluid Replacement”

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