乳幼児の坐薬、正しく使えてますか?順番・使い方・コツをわかりやすく解説!

乳幼児坐剤 乳幼児
この記事は約4分で読めます。

こんにちは、『薬Talk』編集長、薬剤師のNoriです。
私も新人の頃、乳幼児の坐薬の順番やタイミングで悩んだ経験があります。
特に「吐き気止めと解熱剤、どっちが先?」や、「入れてすぐ出てしまったら?」など、
現場では一瞬の判断が求められますよね。

今回は、薬剤師として保護者に指導する時や、自分が調剤・説明する時に役立つよう、
坐薬の種類・基剤・順番の決め方を整理します。
難しい部分は解説を入れて、表の内容も理解しやすい形にしました。

※本記事は薬剤師の経験と公的資料をもとに作成しています。患者への使用判断は必ず医師の指示を優先してください。


坐薬は有効成分だけでなく「基剤」が重要です。
基剤によって溶け方や吸収速度が異なり、順番や間隔の指導に直結します。

  • 脂溶性基剤(例:Witepsol®)
    → 体温で溶ける。溶解後は粘膜から速やかに吸収されるが、腸内容物の影響を受けやすい。
  • 水溶性基剤(例:PEG系)
    → 水分と混ざって徐々に溶ける。作用発現は脂溶性より遅め。

現場では、「ナウゼリン®(水溶性)」と「アンヒバ®(脂溶性)」を一緒に使うケースが典型例です。

坐薬名主成分基剤の種類保存方法主な用途
アンヒバ®坐剤アセトアミノフェン脂溶性基剤(Witepsol®)冷所保存解熱
ナウゼリン®坐剤ドンペリドン水溶性基剤(PEG系)室温保存可吐き気・嘔吐
ダイアップ®坐剤ジアゼパム脂溶性基剤(Witepsol®)冷所保存熱性けいれん予防

基剤の違いがあると、先に入れた薬が溶けてしまうのを防ぐため、順番と間隔に注意します。

  • 基剤が異なる場合(水溶性→脂溶性):30分以上間隔をあける
  • 基剤が同じ場合(脂溶性+脂溶性など):緊急度が高い薬を先に入れ、5〜10分間隔
パターン順番間隔
ナウゼリン(水溶性)+アンヒバ(脂溶性)ナウゼリン → 30分後 → アンヒバ30分
ダイアップ(脂溶性)+アンヒバ(脂溶性)ダイアップ → 10分後 → アンヒバ10分
ナウゼリン(水溶性)+ダイアップ(脂溶性)ナウゼリン → 30分後 → ダイアップ30分

💊 経験談
夜間の救急外来で、ナウゼリンとアンヒバを同時に処方されたお子さんのケース。
保護者が「一緒に入れていいですか?」と質問。
基剤の違いを説明し、吐き気止めを先に使用してから30分後に解熱剤を入れるよう指導しました。
後日「説明通りにしたら嘔吐せずに解熱できた」と感謝され、改めて基剤の理解の重要性を実感しました。


「坐薬=早く効く」という思い込みは要注意です。
吸収速度は薬の種類と基剤によって異なります。

成分名剤形効果発現時間(目安)
アセトアミノフェンカロナール細粒(内服)約25分
アセトアミノフェンアンヒバ坐剤約90分
ドンペリドンナウゼリンDS(内服)約30分
ドンペリドンナウゼリン坐剤約60分

🔍 解説
脂溶性坐薬は吸収が遅くなる傾向があり、急ぎたい場合は内服の方が早いこともあります。
また、嘔吐リスクが高い場合は坐薬が有効ですが、効果発現の遅さも考慮して指導が必要です。


熱性けいれん予防のダイアップ®は、体温変化に応じて使用します。

  • 目安:37.5℃以上で1回目
  • 8時間後に38.5℃以上で2回目
  • 効果は約8時間持続
  • 副作用:眠気・ふらつき(異常時は医師へ連絡)

薬剤師として保護者に説明する際は、「力まず、短時間で入れる」ことを強調します。

  1. 手を洗い、坐薬を出す
  2. 丸い方を先に挿入
  3. 肛門を30〜60秒押さえる
  4. 横向き姿勢+リラックス
  5. 潤滑剤(ワセリン等)を使用可
  6. 息を吐きながら挿入すると入りやすい

  • 坐薬は基剤の違いと病状の緊急度で順番を決める
  • 同じ基剤は5〜10分、異なる基剤は30分以上間隔
  • 坐薬が必ずしも内服より早いわけではない
  • ダイアップ®は体温変化を基準に使用
  • 挿入は姿勢・潤滑剤・声かけでスムーズに

日本小児神経学会『熱性けいれん診療ガイドライン2023』

アンヒバ®、ナウゼリン®、ダイアップ® 添付文書(PMDA)

愛知県薬剤師会『坐薬の使い方』

日本薬学会『坐薬(製剤解説)』

千葉県薬剤師会『調剤の手引き(PDF)』

タイトルとURLをコピーしました