こんにちは、「薬Talk」編集長、薬剤師のNoriです!
――薬歴って、なんで「あとでまとめて書こう」と思った瞬間に内容全部忘れます?
メモ帳どこ?記憶どこ?ってレベルで脳内キャッシュが吹っ飛ぶ現象、あれに名前つけてほしい。
今日の患者さん、たしかに「鼻水と咳が出てて…」って言ってたはずなのに、
PCの前に座った瞬間に
「…え?鼻?咳?あれ?この人って花粉症?いや風邪?いやカロナールって誰だっけ…」
ってなるあの感じ。
あれこそ“薬歴ブラックホール”。
そんな私に舞い降りたのが――
🔵 Cloud型薬歴『ソラミチ』!
録音するだけでSOAPができちゃうAI薬歴なんですけど、
「いやいや、そんなうまい話ある?」って全力で疑ったよね。
でも、使ってみたら想像の5倍使えるヤツだった件。
今日はそんなAI薬歴との出会いを、薬Talk日記らしくネタ交じりでお届けします。
目次
録音するだけでSOAP!?そんなうまい話ある?
試しに患者さんとのやり取りを録音してみたんです。
以下、実際の会話をざっくりまとめるとこんな感じ。
患者:「昨日から咳と鼻水が出ています。熱はないです。今飲んでいる薬はないです。以前もらったカロナールが残っています。」
私:「咳止めと鼻炎の薬は眠気が出ることがありますので、車の運転には注意してください。発熱したら残っているカロナールを使用してください。5時間くらい間隔をあけてください。症状が悪化するようなら再受診してください。」
この録音を「ソラミチ」にかけてみたら――
数十秒でSOAPが出力されました。
しかも、まぁまぁ読める。いや、むしろ“下書きとしては優秀”なんです。
自動生成されたSOAP
S:
患者は「昨日から咳と鼻水が出ている」と訴える。熱はない。現在内服中の薬はなく、以前処方されたカロナールが自宅に残っているとのこと。
O:
本日処方は鎮咳薬と抗ヒスタミン薬。発熱は確認されず。表情や受け答えに大きな異常なし。患者は車通勤であると申告。薬の眠気に対する注意喚起を実施。お薬手帳の持参なし。服用歴は患者申告により確認。
A:
症状より軽度の上気道炎が疑われる。眠気による注意力低下のリスクがある薬剤が含まれるため、運転時の影響に留意が必要。セルフケア指導も含め、理解は概ね良好。
P:
服薬の目的、副作用(特に眠気)について説明。運転注意を具体的に伝えた。発熱時の対応として残薬(カロナール)の使用方法を確認し、5時間以上間隔をあけるよう指導。症状悪化時の再受診の必要性を説明。理解良好。必要時には医師へ連絡予定。
正直、バカにしてました。すいませんソラミチさん。
最初は「AIとかどうせ適当な文出すだけでしょ」と思ってました。
でも普通に薬歴として使えるレベルで出てくる。
もちろん細かいところの修正は必要ですよ?
でも、ゼロから書くより“下書きを整える”方が圧倒的にラク。
とはいえ完璧じゃない。人間の目も絶対に必要
ソラミチAIの注意点を挙げると:
- O(客観情報)に主観が混ざることがある
- 薬剤名や詳細指導が省略されがち
- テンプレ的な言い回しが連発される
だから「書かなくていい」じゃなくて、“最初の土台をAIに作ってもらう”って感覚が正解。
録音だからこそ「話し方」も重要です
AIが音声を聞き取って文章を作るわけなので、話し方次第で精度が変わります。
- 🗣 主語・述語をハッキリ話す:「これは鼻炎薬です」など明確に *薬品名をしっかりと言った方がよい
- 🐢 急がずゆっくり話す:早口はAIが聞き取れず“無”になります
- 🔑 大事な言葉は繰り返す:「5時間あけてください。最低5時間です」など
慣れてくると、「AIに伝わる話し方」みたいなスキルが身につきます(笑)
AI薬歴は“ズル”じゃない、“戦力”だ
AIに薬歴を書かせるなんて…と最初は思ってたけど、
実際に使ってみたら「むしろこっちが薬剤師らしい仕事に集中できる」と気づきました。
患者対応・投薬・会話――
それをちゃんと記録に変える補助役がAIなら、もう使わない理由がない。
薬歴に追われて「あ〜!書けない!」って叫んでた過去の自分に言ってやりたい。
「録音ボタン、押しとけ。」
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