地域支援・医薬品供給対応体制加算の全要件|加算1〜5の施設基準を通知原文から【2026年度改定】

地域支援・医薬品供給対応体制加算 1と2の違いと、施設基準の要件2026年度改定 調剤報酬・制度改正
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。管理薬剤師を経て、現在はチェーン薬局の本社部門で店舗運営支援を担当しています。

本サイトは、薬剤師をはじめとする医療従事者向けの情報提供サイトです。記載内容は告示・通知・添付文書などの原文を確認したうえでまとめています。一般の方が医薬品の使用を判断される際は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
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この記事だけで、地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出準備が最後まで終わるように書きました。加算1〜5の施設基準を、通知の原文(保医発0305第8号 第92)と届出様式から一項目も省かずに並べ、疑義解釈で確定した論点まで入れています。

27〜67点5区分加算1が全区分の前提になる
1200品目加算2〜5の備蓄要件週45時間以上の開局もセット
5/1〜4/30実績の判定期間前年5月1日〜当年4月末日の実績で決まる
後発医薬品調剤体制加算が廃止され、その85%要件がこの加算の加算1に組み込まれました。加算1を満たせなければ、加算2〜5もすべて算定できません。そして加算1には、85%のほかに7つの体制要件があります。

準備の順番はこうなります。

  1. 加算1の施設基準を満たす(全区分共通の土台)後発品85%+医薬品の安定供給に関する8項目+掲示。ここが崩れると全部落ちる
  2. 自局が狙える区分を確定する調剤基本料の区分で、加算2・3か、加算4・5かが決まる
  3. 加算2〜5の体制要件(ア〜コ)を満たす1200品目、週45時間、管理薬剤師の要件、緊急避妊薬、セルフメディケーション機器まで
  4. 実績9項目を数えて届出前年5月〜当年4月の実績。様式87の3の1(+加算2〜5は87の3の2)

点数と5区分——自局が狙えるのはどれか

加算2〜5は択一です。調剤基本料の区分で、取れる区分が先に決まります。

区分点数対象となる調剤基本料実績要件
加算127点特別調剤基本料B以外のすべてなし(体制のみ)
加算259点調剤基本料19項目のうちエを含む3項目以上
加算367点調剤基本料19項目のうち7項目以上
加算437点調剤基本料1・特別調剤基本料B以外
(=調剤基本料2、3-イ/ロ/ハ、特別調剤基本料A)
9項目のうちエとカを含む3項目以上
加算559点同上9項目のうち7項目以上
  • 特別調剤基本料Bは、加算1から加算5まで一切算定できません。
  • 特別調剤基本料Aは所定点数の100分の10(小数点以下第一位を四捨五入)。加算4なら37点→4点、加算5なら59点→6点です。ただし調剤基本料の加算・減算を合算した結果が3点未満になる場合は3点を算定します。

加算2〜5の点数の中に加算1の27点が含まれているイメージで、27点が別に上乗せされるわけではありません。

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※ 本記事の制度・添付文書に関する記載はすべて原文を確認しており、広告主の影響を受けていません。

加算1の施設基準——ここが崩れると全部落ちる

通知は加算1を4つの柱で定めています。(2)の8項目は、85%と同じ重さの要件です。

項要件(通知の要旨)やること・残すもの
(1)特別調剤基本料Bを算定している保険薬局以外であること自局の調剤基本料区分の確認
(2)ア在庫を抑制した結果、他薬局からの分譲を頻繁に受けざるを得ない状況や、卸への頻回配送・休日夜間配送・急配の過度な依頼に陥らないよう、計画的な調達や在庫管理を行う発注ルールの文書化
(2)イ直近1年間において、他の保険薬局等に医薬品を分譲した実績があること。伝票または医療用医薬品の譲渡書を2年間保存。ただし同一グループの保険薬局への分譲は実績に含めない分譲の記録(別紙様式4-1、または任意の伝票・譲渡書)
(2)ウ供給不安等で処方薬が入手困難なとき、在庫を持つ薬局を探し、予め連絡して在庫を確認した上で患者を案内する/処方医に変更可否を照会する等、適切に対応する案内した記録(別紙様式4-2)
(2)エ重要供給確保医薬品のうち内用薬・外用薬について、1か月分程度は備蓄するよう努める下の項で詳しく
(2)オ個々の医薬品の価値や流通コストを無視した値引き交渉を慎む。また原則として全ての品目について単品単価交渉とする様式85の提出(下の項で詳しく)
(2)カ卸売販売業者への頻回配送・休日夜間配送・急配に係る過度な依頼を慎む発注回数の見直し
(2)キ厳格な温度管理を要する医薬品や、在庫調整を目的とした返品を慎む返品ルールの周知
(2)ク地域の保険医療機関・保険薬局・医療関係団体と連携し、取り扱う品目の情報共有や事前の取り決めを行う(望ましい)努力規定
(3)直近3月間の後発医薬品の規格単位数量の割合が85%以上月次でのモニタリング
(4)後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨を、当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示掲示物(内・外の両方)

(2)イについて、疑義解釈で2点が確定しています。分譲先には保険医療機関も含まれます(通知の「他の保険薬局等」の「等」)。また保存する書類は別紙様式4-1でなくてもよく、任意の様式の伝票または譲渡書で差し支えありません。

「重要供給確保医薬品を1か月分備蓄」は全品目ではない

この項目は誤解されやすいところです。通知の留意点に定義があります。

1の(2)のエの「1か月分程度は備蓄する」とは、重要供給確保医薬品のうち内用薬又は外用薬の各品目(直近1年間で調剤しなかったものを除く。)について、当該保険薬局で直近1年間(開設から1年に満たない保険薬局については、開設した月からの月数。)に調剤した数量から割り出した1か月分の使用数量を備蓄することをいう。ここでいう備蓄とは、当該保険薬局に現に医薬品の在庫を保有していることを指し、卸売販売業者が代わりに在庫を確保していることのみでは、備蓄には該当しない。

読み解くと、こうなります。

  • 対象は「直近1年間に自局で調剤した品目」だけ。重要供給確保医薬品の全リストを揃える必要はありません
  • 数量も自局基準。直近1年間に調剤した数量を12で割った、自局の1か月分
  • 卸の在庫は自局の備蓄に数えられない
  • 条文は「備蓄するよう努めること」。届出様式にもこの項目のチェック欄はありません。満たせないと届出できない類の要件ではないと読めます

単品単価交渉は「様式85」で機械的に判定される

ここは自己申告ではありません。判定方法が通知に書かれています。

……直近に地方厚生(支)局長等に届け出た別添2の様式85(妥結率等に係る報告書)の3の(1)において、「単品単価交渉を行っていない」に非該当であることで本要件を満たすものとして取り扱う。様式85を地方厚生(支)局長等に届け出ていない場合は本要件を満たさないものとして取り扱う。ただし、開設から1年に満たない保険薬局で、妥結率等に係る報告書の提出経験がない場合は本要件を満たしているものとみなす。

様式85を出していなければ、その一点だけで加算1が落ちます。まずここを確認してください。

そして「単品単価交渉に該当しない交渉」が4つ列挙されています。品目ごとに価格を決めていても、やり方によっては該当しません。

ア 総価値引率を用いた交渉(総価交渉や総価交渉除外有りを含む。)

イ 全国最低価格に類する価格をベンチマークとして用いた交渉

ウ ベンチマークを用いた交渉のうち、配送コストなどの地域差及び購入金額、支払条件、返品、急配等の取引条件を考慮していない単価をベンチマークとし、当該価格で決定する一方的な交渉

エ 法人格・個人事業主が異なる加盟施設との取引価格の交渉を一括して受託する業者の価格交渉について、加盟施設ごとの地域差や取引条件等を考慮しない取引価格での交渉や加盟施設の確認が行われない交渉

エは価格交渉の代行業者を使っている薬局を名指ししています。加盟施設ごとの地域差・取引条件を見ずに一律で決めている、あるいは加盟施設に確認を取らずに妥結している——このやり方は単品単価交渉に当たりません。代行に任せているから安心、ではないということです。

なお経過措置として、令和7年度に妥結率等に係る報告書を提出している薬局は、「単品単価交渉を行っていない」に該当していたかどうかにかかわらず、令和8年度の報告書の提出期限である令和8年11月末日までの間に限り、要件を満たすものとみなされます(疑義解釈その7)。裏を返せば、この11月末の報告書で「行っていない」に該当すると、そこから算定できなくなります。

加算2〜5の体制要件(ア〜コ)を全部並べる

加算1に上乗せされる要件です。加算2・3・4・5で共通(通知は加算3〜5について「2の(3)の基準を満たすこと」としています)。項目数が多いので、届出様式の並びに沿って表にします。

項要件(通知の要旨)
ア(イ)保険調剤に係る医薬品として1200品目以上を備蓄している
ア(ロ)地域の保険医療機関・保険薬局(同一グループを除く)に対して、在庫状況の共有、医薬品の融通などを行っている
ア(ハ)医療材料・衛生材料を供給できる体制。在宅の患者について保険医療機関から衛生材料の提供を指示された場合は原則として供給し、費用は当該保険医療機関に請求(価格は購入価格を踏まえた相互の合議)
ア(ニ)麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができる
ア(ホ)取り扱う医薬品について、次の7つを随時提供できる体制:①一般名 ②剤形 ③規格 ④内服薬の製剤の特徴(普通製剤・腸溶性製剤・徐放性製剤等)⑤緊急安全性情報、安全性速報 ⑥医薬品・医療機器等安全性情報 ⑦回収情報
ア(ヘ)令和8年6月以降に開設・改築・増築する薬局は、面積16㎡以上の調剤室を有すること(開設者の変更だけで許可を取り直した場合等は対象外)
イ(イ)平日は1日8時間以上、土曜または日曜のいずれかに一定時間以上、かつ週45時間以上開局
イ(ロ)単独または近隣薬局との連携で、休日・夜間を含む開局時間外も調剤・在宅業務に対応できる体制(救急医療対策の輪番制に参加している場合を含む)
イ(ハ)患者・家族からの相談体制:①夜間休日を含む時間帯に対応でき、応じられなかった場合は速やかに折り返す体制 ②初回の処方箋受付時に連絡先電話番号・緊急時の注意事項(連携薬局の所在地・名称・連絡先を含む)を説明し、文書で交付(薬袋への記載でも可)③連携薬局と自局の連絡先を薬局の外側の見えやすい場所に掲示
イ(ニ)時間外対応体制について、自局および同一グループで周知。あわせて地域の行政機関または薬剤師会等を通じても周知する
ウ(イ)在宅療養支援の診療所・病院・訪問看護ステーションへ、同意が得られた場合に指導結果等を文書(電子媒体を含む)で随時提供
ウ(ロ)ケアマネジャー・社会福祉士等との連携、地域包括支援センターとの必要な連携
ウ(ハ)在宅の実績が保険薬局当たり24回以上(在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費の合計。情報通信機器を用いた場合を除く。在宅協力薬局として連携した場合・同等の業務を行った場合を含むが、同一グループ薬局に対して実施した場合は除く)
ウ(ニ)在宅患者訪問薬剤管理指導の届出、保険薬剤師への研修、薬学的管理指導計画書の様式をあらかじめ備える、在宅を行う薬局である旨を内側および外側に掲示し、文書を交付
エ(イ)PMDAメディナビに登録し、最新の安全性情報を収集して保険薬剤師に周知
エ(ロ)薬局機能情報提供制度で「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」として直近1年以内に都道府県へ報告している
エ(ハ)副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制がある(届出時に写しを添付)
オかかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)の届出を行っている
カ保険調剤以外の医薬品も含めて患者ごとに薬剤服用歴等を作成し、調剤の都度、薬学的管理と必要な指導を行っている
キ管理薬剤師が3要件すべてを満たす(下で詳述)
ク研修実施計画を作成して研修を実施し、定期的に外部の学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む)を受けさせている。研修認定の取得・学会参加発表・論文投稿は望ましい(届出時に計画と実績の文書を添付)
ケ会話が他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、プライバシーに配慮。椅子に座った状態で服薬指導できる体制は望ましい
コ(イ)要指導医薬品・一般用医薬品を販売している。健康増進支援薬局の届出要件である48薬効群の品目を取り扱うこと
コ(ロ)健康相談または健康教室を行い、生活習慣全般の相談に応需・対応する
コ(ハ)緊急避妊薬を備蓄し、相談に応需・対応し、調剤または販売を行う体制。オンライン診療に伴う対応のため、令和7年9月18日通知に基づく研修を受講する等、適切に対応する
コ(ニ)敷地内禁煙(建物の一部を用いて開設している場合は、保有または借用している部分が禁煙区域)
コ(ホ)当該薬局および併設される店舗販売業において、たばこ及び喫煙器具を販売していない
コ(ヘ)セルフメディケーション関連機器8種のうち3つ以上を、患者の求めに応じて使用できるよう設置(下で詳述)
コ(ト)当該薬局および併設される店舗販売業において、薬事未承認の研究用試薬または検査サービスを販売・提供していない(下で詳述)

セルフメディケーション関連機器——「3つ以上」の中身

通知が8種類を列挙しています。

次に掲げるセルフメディケーション関連機器のうち少なくとも3つについて、患者の求めに応じて使用できるよう設置していること。

①体重計 ②体温計 ③血圧測定器 ④体組成計(体脂肪率、BMI等を含むもの) ⑤血中酸素飽和度測定器(パルスオキシメータ) ⑥握力計 ⑦骨密度測定器 ⑧心電計

疑義解釈で2つ確定しています。ここを外すと、機器を買い直すことになります。

  • 体重計と握力計を除き、承認または認証を得た医療機器である必要があります(疑義解釈その2 問5)。家庭用の安価な血圧計・体組成計・パルスオキシメータには、医療機器の承認・認証を受けていない製品があります。買う前に、承認番号/認証番号があるかを確認してください
  • 1製品が複数の機能を兼ねている場合、3つの機能を果たせるなら3製品未満でも要件を満たします(疑義解釈その2 問6)。体重・体脂肪率・BMIを測れる体組成計1台で複数をまかなえます

管理薬剤師の3要件——1年以内に着任した人だと届出できない

当該保険薬局の管理薬剤師は、以下の要件を全て満たしていること。

(イ) 施設基準の届出時点において、保険薬剤師として5年以上の保険薬局勤務経験があること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。

(ロ) 当該保険薬局に週31時間以上勤務していること。

(ハ) 施設基準の届出時点において、当該保険薬局に継続して1年以上在籍していること。

(ハ)が実務では効きます。管理薬剤師を交代させると、その人が1年在籍するまで加算2〜5の届出ができません。人事異動を組むときは、この加算を取っている店舗かどうかを先に確認してください。

(イ)の「病院薬剤師の経験は1年を上限に算入できる」も見落とされがちです。病院5年+薬局4年なら、算入できるのは1年なので合計5年となり、要件を満たします。

薬事未承認の検査サービス——本部がネットで売っていたら全店アウト

コ(ト)の「薬事未承認の研究用試薬又は検査サービス」とは何か、疑義解釈が定義しています。

  • 薬機法等に抵触するおそれのある、疾病の診断や罹患リスクの判定を行うことができると標榜する研究用試薬または検査用試薬
  • 医師法等に抵触するおそれのある、疾患の罹患可能性の提示や診断等の医学的判断を行う検査サービス

抵触するおそれのないものは販売・提供して差し支えありません(疑義解釈その3 問2・問3)。

そのうえで、範囲についてこう示されています。

問 ……当該保険薬局が属する法人が、薬事未承認の研究用試薬又は検査サービスをインターネット上で販売又は提供している場合は、当該施設基準を満たすか。

(答)インターネット上で販売又は提供している場合は、当該保険薬局において販売又は提供しているものとみなす。したがって、施設基準を満たさないため、地域支援・医薬品供給対応体制加算の2から5までについては、届出をすることはできない。

店舗に置いていなくても、法人がネットで売っていれば、その法人の全薬局が加算2〜5を届け出られません。チェーンや、物販部門を持つ法人は、自社のECサイトを確認する必要があります。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績9項目。エの服薬管理指導料1のイ及び2のイ20回以上を含む3項目以上
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第8号)

実績9項目と、その数え方

基準回数は処方箋受付回数1万回当たりです(ケだけは薬局当たり)。

実績要件(通知の記載)加算2・3加算4・5
ア 薬剤調製料の時間外等加算及び夜間・休日等加算の算定回数の合計40回以上400回以上
イ 薬剤調製料の麻薬を調剤した場合に加算される点数の算定回数1回以上10回以上
ウ 調剤時残薬調整加算及び薬学的有害事象等防止加算の算定回数の合計20回以上40回以上
エ 服薬管理指導料1のイ及び2のイの算定回数の合計(かかりつけ薬剤師)【加算2・4で必須】20回以上40回以上
オ 外来服薬支援料1の算定回数1回以上12回以上
カ 在宅(単一建物診療患者が1人の場合)の算定回数の合計【加算4で必須】24回以上24回以上
キ 服薬情報等提供料の算定回数(相当する業務を含む)30回以上60回以上
ク 服薬管理指導料等の小児特定加算の算定回数の合計1回以上1回以上
ケ 研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に出席した回数
(※これだけ薬局当たり)
1回以上5回以上

1万回に満たない薬局は「1万回」として計算する

判定式は「基準回数 × 直近1年間の処方箋受付回数 ÷ 1万」で、この数以上の実績があるかを見ます。

そして直近1年間の処方箋受付回数が1万回未満の場合は、1万回とみなします。受付回数が6,000回の薬局でも、基準はフルの回数(例:エなら20回)で判定されるということです。小さい薬局ほど1枚あたりのハードルが上がります。

キの「相当する業務」は4つ、名指しされている

服薬情報等提供料は併算定できない場面が多く、そのままでは回数が積み上がりません。通知は「相当する業務」を4つ挙げています。これらを算定していれば、キの回数に含められます。

  • 服薬管理指導料の特定薬剤管理指導加算2
  • 服薬管理指導料の吸入薬指導加算(文書により情報提供した場合に限る)
  • 調剤後薬剤管理指導料
  • 服用薬剤調整支援料2

ただし特別調剤基本料Aを算定している薬局が、調剤基本料の「注6」に規定する保険医療機関(=特別な関係にある医療機関)へ情報提供した場合は除きます。

身内の処方箋は、実績からも受付回数からも除く

2の(4)、4の(4)の実績の計算に当たり、同一グループの保険薬局の勤務者(常勤及び非常勤を含めた全ての職員をいう。)及びその家族(同一グループの保険薬局の勤務者と同居又は生計を一にする者をいう。)に係る実績を除いて計算する。また、処方箋の受付回数についても同様に取り扱うこととする。

グループの従業員本人だけでなく、同居または生計を一にする家族まで対象です。かかりつけ薬剤師の同意を身内で積み上げる、といったやり方は成立しません。そして実績だけでなく分母の処方箋受付回数からも除きます。集計するときは、この除外を忘れないでください。

ケ(多職種連携会議)の対象範囲も広く示されています。地域ケア会議、サービス担当者会議、退院時カンファレンスに加えて、疑義解釈その2 問7では在宅療養中の小児の学校生活に関する連携会議、小児在宅医療に関する多職種連携会議、障害者福祉支援に関する多職種連携会議も対象とされ、「これに限定するものではなく、地域医療に貢献するような多職種連携会議であれば対象となり得る」とされています。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の判定時期と届出。前年5月1日から当年4月末日までの実績で適合性を判断し当年6月1日から翌年5月末日まで算定、処方箋受付回数も同じ期間。同一グループの勤務者とその家族の実績と受付回数は除く。年度途中に適合した場合は届出のあった月の末日までに受理されれば翌月1日から、月の最初の開庁日に受理されれば当該月の1日から算定。様式87の3の1と3の2を使用。単品単価交渉は様式85で判定し、様式85未提出は要件を満たさない。備蓄は卸の在庫では該当しない
厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」第92 地域支援・医薬品供給対応体制加算 6(1)〜(5)・7(1)(2)(令和8年度)

いつの実績で判定され、いつから算定できるか

場面取扱い
通常の更新前年5月1日〜当年4月末日の実績で適合性を判断し、当年6月1日〜翌年5月末日まで算定できる。処方箋受付回数も同じ期間で数える
後発品85%(加算1)届出後は同じく前年5月1日〜当年4月末日の実績で判断し、当年6月1日〜翌年5月末日まで算定
年度途中で新たに適合した場合届出を行うことができ、届出のあった月の末日までに受理されれば翌月1日から翌年5月末日まで算定できる
月初に受理された場合月の最初の開庁日に要件審査を終えて受理された場合は、当該月の1日から算定できる

最後の行は覚えておくと1か月得をします。月の最初の開庁日に受理されれば、その月の1日にさかのぼって算定できます。準備が月末ぎりぎりになったときは、翌月1営業日での提出を狙う手があります。

経過措置は2つだけ

対象内容期限
後発品85%
(加算1の(3))
令和8年3月31日時点で後発医薬品調剤体制加算1・2・3を届け出ている薬局は、要件を満たしているものとする令和9年5月31日まで
実績ウ・エウは改定前の「重複投薬・相互作用等防止加算+在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」、エは「かかりつけ薬剤師指導料+かかりつけ薬剤師包括管理料」の算定回数の合計とみなしてよい令和9年6月1日までに行う届出

ここは正確に押さえてください。通知に置かれた経過措置は後発品85%の1つだけで、実績要件そのものへの経過措置はありません。ウとエについて改定前の項目でみなす取扱いは疑義解釈その1で示されたもので、これも令和9年6月1日までの届出に限られます。

つまりア・イ・オ・カ・キ・ク・ケの7項目は、最初から新しい基準で数えることになります。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の様式。分譲は様式4-1で2年保存、在庫案内は様式4-2で受け取った側も2年保存
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添3 3 地域支援・医薬品供給対応体制加算(令和8年度)

届出に使う様式

届出区分提出する様式
加算1別添2(地支体1)+様式87の3の1のみ
加算2〜5別添2(地支体2〜5)+様式87の3の1 および 様式87の3の2

様式87の3の1には、添付書類の指定があります。当日に慌てないよう、先に揃えてください。

  • 令和8年6月以降に開設・改築・増築した薬局:調剤室面積がわかる文書(見取り図等)
  • 時間外対応体制の地域での周知:地域の行政機関または薬剤師会から公表されていることが確認できる資料
  • 副作用報告:手順書の写し
  • 研修:職員等に対する研修実施計画および実施実績等を示す文書

また、他の保険薬局との連携で時間外に対応している場合は、連携薬局名と連携する業務内容を記入します。地域薬剤師会等の当番・輪番に参加している場合は、その旨を記載します。

届出前チェックリスト

加算1(全区分の前提)

  • ◻️ 特別調剤基本料Bではない
  • ◻️ 直近3月間の後発医薬品の規格単位数量の割合が85%以上
  • ◻️ 直近1年間に、同一グループ以外の保険薬局または保険医療機関へ分譲した実績があり、伝票または譲渡書を保存している(2年間)
  • ◻️ 様式85(妥結率等に係る報告書)を提出済みで、「単品単価交渉を行っていない」に該当していない
  • ◻️ 価格交渉を代行業者に委託している場合、加盟施設ごとの地域差・取引条件が考慮され、自局の確認を経て妥結している
  • ◻️ 後発品を積極的に調剤している旨を、薬局の内側と外側の両方に掲示している

加算2〜5(上乗せ)

  • ◻️ 備蓄品目が1200品目以上
  • ◻️ 平日1日8時間以上、土日いずれか開局、週45時間以上
  • ◻️ 麻薬小売業者免許を取得している(免許証番号を様式に記入する)
  • ◻️ 初回受付時に連絡先等を文書で交付し、連絡先を薬局の外側に掲示している
  • ◻️ 時間外対応体制が、行政機関または薬剤師会のページに公表されている(資料を添付できる)
  • ◻️ 在宅の実績が薬局当たり24回以上(同一グループ薬局への業務は除く)
  • ◻️ PMDAメディナビに登録済み(登録番号を様式に記入する)
  • ◻️ 薬局機能情報提供制度で、プレアボイドの取組を直近1年以内に「有」として報告した
  • ◻️ 管理薬剤師が、5年以上の勤務経験・週31時間以上勤務・当該薬局に継続1年以上在籍のすべてを満たす
  • ◻️ 要指導医薬品・一般用医薬品を48薬効群で取り扱っている
  • ◻️ 緊急避妊薬を備蓄し、研修を受講している
  • ◻️ 敷地内禁煙で、たばこ・喫煙器具を販売していない(併設店舗を含む)
  • ◻️ セルフメディケーション関連機器を3機能以上。体重計・握力計以外は承認/認証番号を確認した
  • ◻️ 薬事未承認の研究用試薬・検査サービスを、法人のECサイトを含めて販売していない
  • ◻️ 実績の集計から、グループ従業員とその同居家族分を除いた

まとめ

  • 加算1(27点)は後発品85%+安定供給の8項目+内外の掲示。ここが崩れると加算2〜5もすべて落ちる
  • 単品単価交渉は様式85で機械的に判定される。様式85を出していなければ、それだけで要件を満たさない
  • 重要供給確保医薬品の1か月備蓄は全品目ではなく、直近1年間に自局で調剤した品目。数量も自局の実績から割り出した1か月分
  • 加算2〜5は1200品目・週45時間・管理薬剤師の3要件・緊急避妊薬・セルフメディケーション機器3つ以上まで求められる
  • 体重計と握力計以外の機器は、承認または認証を得た医療機器でなければならない
  • 法人がネットで薬事未承認の検査サービスを売っていれば、その薬局も売っているとみなされ、加算2〜5は届出できない
  • 実績は1万回当たりで判定し、1万回未満の薬局は1万回とみなす。グループ従業員とその家族の分は、実績からも受付回数からも除く
  • 判定期間は前年5月1日〜当年4月末日、算定は当年6月1日〜翌年5月末日。月の最初の開庁日に受理されれば、その月の1日から算定できる
  • 経過措置は後発品85%が令和9年5月31日まで、実績ウ・エのみなしが令和9年6月1日までの届出の2つだけ

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出典

※ 本記事は上記の通知・届出様式・疑義解釈の原文に基づいて作成しています。制度改正や疑義解釈の追加があった場合は本記事を更新します。

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