選定療養費の変更点 ~2026年度調剤報酬改定~ をやさしく解説

制度改正
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この記事でわかること:
① 長期収載品の特別の料金が価格差の2分の1に引き上げられた背景
② 薬局の時間外対応にも選定療養が導入され、特別料金を取れるようになった条件
③ 処方箋の「患者希望」欄新設など、現場で見るべき書式の変化

長期収載品の負担増・薬局の時間外対応・近視抑制薬の追加、という3つの変更です。

創薬イノベーションの推進や後発医薬品の更なる使用促進、医療保険財政の観点から、特に長期収載品(後発品のある先発品)に関する選定療養のルールが厳格化されました。あわせて、薬局での時間外対応や新規項目の追加も行われています。

  • 長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の変更
  • 薬局における時間外対応の選定療養化
  • 近視の進行抑制を効能とする医薬品の選定療養化(新規追加)

患者負担は価格差の4分の1→2分の1に引き上げ。処方箋の欄も「変更不可」と「患者希望」に分かれます。

区分負担額
現行長期収載品と後発品最高価格帯の価格差の「4分の1」相当額
改定後価格差の「2分の1」相当額
  • 後発医薬品を提供することが困難な実態を踏まえ、後発品置換え率が1%未満の長期収載品は、新たに選定療養の対象外(通常の保険給付)となった
  • 「変更不可(医療上必要)」への名称変更:処方医が医療上の必要性から後発品への変更に差し支えがあると判断した場合にチェックする欄
  • 「患者希望」欄の新設:患者の希望を踏まえて長期収載品を銘柄名処方する場合にチェックする欄

▶ 医療上の必要性か患者希望か、を処方箋上で明確化

この2つの欄により、長期収載品が選ばれた理由が処方箋上で区別されます。一般名処方で患者が長期収載品を希望した場合も選定療養の対象になる点に注意してください。

「保険医療機関」だけだった対象に保険薬局も追加。患者都合の時間外対応で特別料金が取れます。

区分内容
現行「保険医療機関」が表示する診療時間以外における診療
改定後対象に保険薬局を追加。「保険医療機関又は保険薬局が表示する診療時間又は開店時間以外の時間における診察等」
  • 対象となるケース(患者都合のみ):緊急の受診の必要性はないが、患者が自由な選択に基づき、自己の都合により時間外対応を希望した場合に限る
  • 対象外となるケース(緊急時):緊急やむを得ない事情による時間外の調剤等は、従前通り調剤報酬上の時間外加算等の対象となり、選定療養として費用徴収することは認められない

時間外加算等との併算定は不可

選定療養として特別の料金を徴収する場合は、調剤報酬上の時間外加算、休日加算、深夜加算は算定できません。どちらか一方です。

  • 「対面」の原則:時間外対応の特別料金の徴収は、対面で行われるものでなければ認められない
  • 「時間外」の定義:社会通念上は時間外とされない時間帯(例:平日の午後4時)でも、その薬局の標榜開局時間帯以外であれば費用徴収が認められる
  • 徴収額の目安:調剤報酬点数表における「時間外加算の所定点数相当額」を標準とする
  • 費用徴収についての内容を、あらかじめ薬局内の見やすい場所に分かりやすく掲示
  • 原則としてウェブサイトにも掲載(自局のホームページを持たない場合は除く)
  • 徴収額や標榜開局時間帯を定めたり変更したりする場合は、別紙様式4により地方厚生(支)局長へその都度報告する

近視の進行抑制を目的とする医薬品が、新たに選定療養の対象に追加されました。

  • 裸眼視力1.0未満の小中学生の増加など、近視の進行抑制に関する一定のニーズが存在することを踏まえ、新たに選定療養の対象として追加された

自分の薬局でまず確認すること

  • ☐ 長期収載品の特別料金を「価格差の2分の1」で計算する設定に変更したか
  • ☐ 後発品置換え率1%未満の品目を、誤って選定療養の対象として案内していないか
  • ☐ 処方箋の「変更不可(医療上必要)」「患者希望」の欄を正しく見分けて運用しているか
  • ☐ 時間外対応で特別料金を徴収する場合、緊急時との切り分け(患者都合のみ)ができているか
  • ☐ 時間外加算等と選定療養を同時に算定していないか
  • ☐ 時間外対応の特別料金について、院内掲示・ウェブサイト掲載ができているか
  • ☐ 徴収額や開局時間帯を変更する場合、別紙様式4で地方厚生局へ報告しているか

本記事は2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の答申資料等をもとに、新人薬剤師・調剤事務向けに要点を整理したものです。

※ 算定の最終的な可否は、厚生労働省の点数表・施設基準の原文、最新の疑義解釈、および地方厚生(支)局の判断によります。実務での適用にあたっては必ず原文・最新情報をご確認ください。

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