アレジオン眼瞼クリームは目に入れてはいけません|交付時に伝える4点と、1日あたりは点眼とほぼ同額という話

アレジオン眼瞼クリーム0.5%の要点まとめ。交付時に伝える4点(目に入れない/量の目安は片眼あたり約1.3cm/点眼薬の後に塗る/塗布直後の洗顔・入浴は避ける)と、1日あたりの薬剤料は約101円で点眼とほぼ同額、1本2gで約33日分・開封後の使用目安は1か月、後発品なしで変更調剤・選定療養の対象外であること 外用薬・点眼薬・坐薬
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。管理薬剤師を経て、現在はチェーン薬局の本社部門で店舗運営支援を担当しています。

アレジオン眼瞼クリーム0.5%は、まぶたに塗るアレルギー性結膜炎治療剤です。眼軟膏ではありません。目の中に入れてはいけません。そして交付時に伝えるべきことが、添付文書に4つ明記されています。うち2つは、言われないと患者さんはまず気づきません。そして開封後の使用期限(1か月)は添付文書に書かれていません。
1.3cm片眼あたりの塗布量約30mgを指先に取る
1日1回用法上下眼瞼に塗布
最後他の点眼剤があるとき本剤を最後に使う

まず、これは何なのか

販売名アレジオン眼瞼クリーム0.5%
有効成分エピナスチン塩酸塩 1g中 5mg
効能・効果アレルギー性結膜炎(これだけ)
用法・用量通常、適量を1日1回上下眼瞼に塗布する
承認番号30600AMX00109/販売開始 2024年5月
包装2gチューブ入 × 10本
薬価1,678.6円/1g(令和8年8月13日適用)
後発品なし

剤形の名前が「眼瞼クリーム」です。眼軟膏とはまったく別物で、まぶたの皮膚に塗ります。塗ったところから薬が眼瞼結膜・眼球結膜に移行して効く、という設計です。

ウサギの試験では、塗布後8時間(眼瞼結膜)・4時間(眼球結膜)でCmaxに達し、24時間後も定量できたと書かれています。1日1回で足りる根拠がここです。

交付時に伝える4点は、添付文書に書いてあります

アレジオン眼瞼クリームの交付時に伝える4点の図解。①片眼あたり約1.3cm(両眼で約2.6cm・約30mgと60mg)②目に入れない、入ったら直ちに水で洗い流す ③点眼液・眼軟膏のあと最後に塗る ④塗った直後の洗顔・入浴は避ける

患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。

片眼あたり約30mg(目安として約1.3cm長)を指先に取り、眼周囲(上下眼瞼)に塗布すること。

・眼周囲(上下眼瞼)に塗布する製剤であるため、眼の中に入れて使用しないこと。眼に入った場合は、直ちに水で洗い流すこと。

・他の眼局所製剤(点眼剤、眼軟膏剤等)を併用する場合には、本剤を最後に使用することが望ましい。

塗布直後の入浴・洗顔は避けること。

「14.1 薬剤交付時の注意」は、薬剤師に向けて書かれた項目です。ここに4つ並んでいるということは、4つとも言わないと足りないということです。

① 約1.3cm——これは言わないと絶対に伝わりません

片眼あたり約30mg。目安が約1.3cm長と書かれています。両眼なら約60mg、2.6cm分です。

参天は「大人の人差し指の先端から第一関節までの長さの半分程度」と案内しています。ここで気をつけたいのが、軟膏指導でおなじみのFTU(第一関節まで=約0.5g)との差です。本剤の1回量は0.03g——質量では約17分の1にあたります。長さは半分でも、口径が細いぶん量はまったく別物です。「軟膏と同じ太さで半分の長さ」と受け取られると、大幅に多くなります。チューブから出た細い線を1.3cm、と伝えてください。

塗り方も参天が具体的に示しています。軽く目を閉じ、指先に出したクリームを上下のまぶたに約半量ずつのせ、目のまわりに広げ、透明になるまで指でやさしくなじませる。「透明になるまで」という終点があるのは、患者さんにとって分かりやすい目印です。

1本2gですから、両眼1日60mgなら1本で約33日分。この計算を先に伝えておくと、「減りが早い/遅い」で塗布量のズレに気づけます。1か月で1本を大きく外れていたら、量が違っています。

② 目に入れない——名前が誤解を招きます

「眼」の字が付き、チューブ入りのクリームで、眼科から出ます。眼軟膏だと思われる条件がそろっています。

結膜嚢に入れる薬ではありません。まぶたの皮膚に塗る薬です。入ってしまったら直ちに水で洗い流す、と添付文書は書いています。

過去に眼軟膏を使ったことがある患者さんほど、慣れた手つきで下まぶたを引いて入れてしまいます。「前に眼軟膏を使ったことがありますか」と先に聞くと、この誤りを止められます。

③ 点眼薬があるなら、クリームは最後

併用時は本剤を最後に。クリームを先に塗ると、あとから差す点眼薬が油性のクリームに触れて流れます。

順番使うもの
1点眼液(複数あれば5分以上あける)
2眼軟膏
3アレジオン眼瞼クリーム

緑内障の点眼を使っている患者さんは、朝の手順がすでに複雑です。どこに差し込むかを一緒に決めてしまうのがいちばん早い解決になります。

④ 塗った直後の入浴・洗顔は避ける

これも言われないと分かりません。1日1回なので、いつ塗るかを決められるのがこの薬の良いところです。

洗顔・入浴のあとに塗る習慣にしてしまえば、この注意は自動的に守られます。「お風呂のあと」に固定する——これが実際にいちばん定着します。

そしてこの薬は、いつ塗るかを決めてしまえば全部が片づきます。洗顔も化粧も入浴も、あとの章でまとめて答えを出します。

1本で約33日、開封後の使用期限は1か月。ここが噛み合っています

参天のQ&Aに、添付文書には書かれていない情報があります。

開封後は1か月を目安に使用してください。1ヵ月以内であっても、指示された保存方法を守れなかったり、クリームの変色がみられたりした場合は使用しないでください。

両眼1日60mgで計算すると1本は約33日分。開封後の目安は1か月。ほぼ一致します。つまり「1本を1か月で使い切る」が正しい使い方の目安になります。

1か月後の残り方読み取れること
ちょうど使い切った適量
かなり余っている量が少ないか、塗り忘れている日がある
途中でなくなった量が多い。1.3cmを確認し直す

これは次回来局時にそのまま使える質問になります。「前の1本は、ちょうど1か月でなくなりましたか」——この一言で、塗布量と継続の両方が確認できます。

あわせて、かゆみがなくても毎日続けることもQ&Aに明記されています。症状が出た日だけ塗る使い方をしていると、1本が2か月3か月ともちます。残りが多いこと自体が、中断のサインです。

「塗るほうが高い」と思われがちですが、1日あたりはほぼ同じです

1g 1,678.6円という薬価だけ見ると高く感じます。ところが1日量で割ると、印象が変わります。

製剤薬価用法1日あたりの薬剤料
アレジオン眼瞼クリーム0.5%1,678.6円/g1日1回・両眼0.06g100.7円
アレジオンLX点眼液0.1%465.3円/mL1日2回・両眼4滴93.1円
アレジオン点眼液0.05%168.3円/mL1日4回・両眼8滴67.3円

※ 点眼液は1滴を0.05mLとして計算しています。実際の1滴量は製品と手技で変わります。

LX点眼液とほぼ同額です。窓口で「高くなりませんか」と聞かれたときに、これを言えるかどうかで会話が変わります。3割負担なら1日約30円、1本(2g)で約1,007円です。

後発品がないので、変更調剤も選定療養もありません

薬価基準収載品目リストで見ると、はっきりします。

品目区分後発品の有無
アレジオン眼瞼クリーム0.5%先発品なし
アレジオン点眼液0.05%先発品あり
アレジオンLX点眼液0.1%先発品あり
  • 変更調剤の対象外。後発品がないので、そもそも変更先がありません
  • 選定療養の対象外。長期収載品ではありません
  • 後発品調剤体制加算の分母にも入りません。後発医薬品のある先発品ではないためです

点眼液のほうは両方とも後発品があります。同じ「アレジオン」でも扱いが違うので、レセコンの表示だけで判断しないでください。

副作用は「塗った場所」に出ます

頻度症状
0.1〜5%未満眼瞼そう痒症、眼瞼紅斑
頻度不明※結膜充血、眼刺激、眼の異物感、羞明、眼瞼炎、眼痛、流涙、点状角膜炎、眼のそう痒感、眼脂

※ エピナスチン塩酸塩点眼液で認められた副作用

実際に報告されているのは眼瞼そう痒症と眼瞼紅斑——どちらも塗った場所の症状です。国内第Ⅲ相の長期投与試験では、124例中2例(1.6%)でした。

ここが説明として難しいところで、「まぶたがかゆい」は、もともとの症状でもあり、副作用でもあります。「塗り始めてから、かゆいのがまぶたの縁だけになっていませんか」と聞き方を変えると、区別がつきやすくなります。

全身への移行はごくわずかです。健康成人に0.5%を7日間反復塗布した試験では、6例中4例で血漿中濃度が定量下限未満、定量できた2例も55.9pg/mL・46.7pg/mLでした。

化粧はどうするか——答えは「夜、風呂上がりに塗る」です

添付文書は「塗布直後の入浴・洗顔は避けること」としか書いていません。では何時間あければいいのか。参天の医療関係者向けFAQが、そこに答えています。

 塗布後、どの程度の時間が経過すれば洗顔や化粧などしてもよいですか?

 具体的な時間は設定していません。入浴後や就寝前に塗布すると洗顔や化粧の影響を回避できると考えます。

 用法は1日1回塗布ですが、どの時間帯に塗布すればよいですか?

 入浴や洗顔により洗い流されるリスクを回避するためには、入浴後や就寝前が塗布タイミングに適していると考えます。

時間で管理する話ではありませんでした。「何時間あければいいか」に答えはなく、塗るタイミングを夜に寄せれば、問題そのものが起きません。

だから患者さんに言うことは、1つに絞れます。

「お風呂から上がったあと、寝る前に塗ってください。」
これで、洗顔・化粧・入浴の3つとも同時に片づきます。1日1回でよい薬なので、朝に塗る理由がありません。

朝に塗りたいと言われた場合だけ、洗顔のあと・化粧の前に、透明になるまでなじませてから化粧に進む——という順番になります。化粧の上から塗るのは勧められません。まぶたの皮膚から吸収させる製剤なので、間に何かを挟む形になるからです。

ちなみに基剤は白色ワセリン・パラフィン・マイクロクリスタリンワックス・サラシミツロウなど油性成分が主体です。上からファンデーションを重ねればよれます。この点でも、夜に塗るほうが理にかなっています。

コンタクトレンズと日光は?

質問答え
コンタクトレンズをしたまま使えるか使用可能。ただしレンズの脱着を先に済ませる(参天FAQ)
塗った後、日光に当たってよいか問題ない。光感作性はみられていない(参天Q&A)
他の点眼剤・眼軟膏があるとき先に点眼し、あふれた分をふき取ってから本剤を塗る(参天FAQ)

コンタクトの脱着を先に、というのは実務的です。クリームが付いた指でレンズを触らせないためです。順番を伝えるときは、ここまで含めてください。

小児と妊婦は、どう答えるか

  • 12歳未満:添付文書は「臨床試験を実施していない」とだけ書いていますが、参天のFAQは「小児等も使用できます。通常、成人と同じ用法・用量で使用します」と明言しています。使えます。ただし12歳未満の試験データはありません——この2つを分けて伝えてください
  • 妊婦:有益性投与。ラット経口の高用量で受胎率低下、ウサギ経口の高用量で胎児致死作用。いずれも経口・高用量のデータです
  • 禁忌は1つだけ:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

妊婦の問い合わせでは、「経口投与の動物試験のデータであること」と「本剤は血中にほとんど移行しないこと」を並べて伝えると、判断材料がそろいます。決めるのは処方医ですが、材料は薬剤師が出せます。

窓口で使う順番

  1. 眼軟膏を使ったことがあるか聞くあるなら「これは目に入れません」を先に言う
  2. 量を長さで伝える片眼1.3cm、両眼で2.6cm。1本2gで約1か月
  3. 他の点眼薬を確認するあればクリームは最後。順番を一緒に決める
  4. 塗るタイミングを「夜、風呂上がり」に決める洗顔・化粧・入浴が同時に片づく。朝に塗る理由はない
  5. 次回に聞くことを予告する「前の1本は、ちょうど1か月でなくなりましたか」——塗布量と継続が同時に確認できる。あわせてまぶたのかゆみ・赤み

まとめ

  • 眼軟膏ではない。目に入れない。入ったら直ちに水で洗い流す
  • 片眼あたり約1.3cm(30mg)。FTUの感覚で出すと大幅に多い。1本2gで約33日
  • 他の眼局所製剤があれば、本剤は最後。塗布直後の入浴・洗顔は避ける
  • 1日1回でよい根拠は分布データ。眼瞼結膜で塗布8時間後にCmax、24時間後も定量された
  • 1本で約33日分。開封後の目安も1か月。「1か月で1本」から外れていたら、量か継続がずれている
  • 化粧・洗顔・入浴は「夜、風呂上がりに塗る」で全部片づく。メーカーも塗布後の待ち時間は設定しておらず、タイミングで回避するよう答えている
  • 1日あたりの薬剤料は100.7円で、LX点眼液(93.1円)とほぼ同じ
  • 後発品なし。変更調剤も選定療養も関係ない。点眼液とは扱いが違う
  • 12歳未満は臨床試験なし。禁忌は過敏症の既往のみ

出典

※ 薬価および後発品の有無は令和8年8月13日適用の薬価基準収載品目リストによります。1日あたりの薬剤料は本記事の試算です。
※ 個別の患者への使用可否は、必ず最新の添付文書と処方医の判断によってください。

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