ゾフルーザ20mgに2錠包装ができた理由|1シートが成人1回分、そして予防の効能は20mg錠にしかありません

医薬品
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。管理薬剤師を経て、現在はチェーン薬局の本社部門で店舗運営支援を担当しています。

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2026年9月10日、ゾフルーザ錠20mgに「2錠包装」が発売されました。なぜ2錠なのか——用量表を見ると理由がはっきりします。成人80kg未満の1回量が、治療でも予防でも「20mg錠2錠」だからです。1シートがまるごと1人分。あわせて押さえておきたいのが規格差です。予防の効能があるのは20mg錠と顆粒だけで、10mg錠にはありません。そして10mg錠2錠で20mgの代用はできません。
2錠新しい包装成人80kg未満の1回分がまるごと1シート
20mg錠予防の効能があるのは10mg錠に予防はありません
×10mg錠2錠での代用生物学的同等性が示されていない
ゾフルーザの規格ごとの効能と包装。予防の効能があるのは錠20mgと顆粒2%分包のみ。成人80kg未満は治療・予防とも20mg錠2錠の単回投与。20mg錠に2錠包装が追加された
PMDA 添付文書「ゾフルーザ錠10mg/錠20mg/顆粒2%分包」(2026年9月改訂 第7版)

2錠包装が追加されました

添付文書の包装欄に載っています。2026年9月改訂(第7版)で追加されたものです。

〈ゾフルーザ錠10mg〉 10錠[10錠(PTP)×1]

〈ゾフルーザ錠20mg〉 2錠[2錠(PTP)×1]/10錠[10錠(PTP)×1]

〈ゾフルーザ顆粒2%分包〉 2包[0.5g(SP)×2]

塩野義製薬の医療関係者向けサイトにも2026年9月7日に「ゾフルーザ錠20mg 新包装容量発売のお知らせ」が掲載され、発売日は2026年9月10日(木)とされています。10錠包装はそのまま残ります。

発注に必要なコード(メーカー資料より)

発売日は2026年9月10日(木)です。新包装なのでコードが振られています。

項目ゾフルーザ錠20mg 2錠[2錠(PTP)×1]
統一商品コード087043389
HOT13コード1262261010201
GS1(調剤包装単位)(01)04987087043396
GS1(販売包装単位)(01)14987087043386
個装箱L93mm×W37mm×H19mm/約6g
元箱L415mm×W210mm×H126mm/100個入/約1.0kg
「薬価基準収載医薬品コード/YJコード、レセプト電算処理コードに変更はありません」とお知らせに書かれています。——つまりレセコンの設定を触る必要はないということです。新包装だからと構えなくて大丈夫です。

変わるのは発注に使うコード(統一商品コード・HOTコード・GS1)だけです。個装箱は9cm×3.7cm×1.9cmで約6g——1回分なので当然ですが、10錠包装とは棚での扱いがまったく変わります。

なぜ2錠なのか——用量表を見ると分かります

〈治療〉 80kg以上:20mg錠4錠(80mg)/80kg未満:20mg錠2錠(40mg)

〈予防〉 80kg以上:20mg錠4錠(80mg)/80kg未満:20mg錠2錠(40mg)

通常、以下の用量を単回経口投与する。

成人で80kg未満なら、治療でも予防でも「20mg錠2錠を1回だけ」。——つまり2錠包装1シート=1人分がまるごと1回分です。

これまでは10錠シートから2錠を切り出して調剤していました。端数が出ず、期限管理も1シート単位でできる。インフルエンザは季節で需要が跳ねるので、デッドストックを減らす意味は小さくありません。

ゾフルーザの添付文書6.用法・用量の表を治療と予防で並べた図。成人及び12歳以上の小児は80kg以上が20mg錠4錠(顆粒8包・80mg)、80kg未満が20mg錠2錠(顆粒4包・40mg)で治療・予防とも同じ。12歳未満の小児は40kg以上が20mg錠2錠、20kg以上40kg未満が20mg錠1錠で治療・予防とも同じ。10kg以上20kg未満は治療のみ10mg錠1錠(顆粒1包)、10kg未満は治療のみ顆粒50mg/kg(1mg/kg)で、いずれも予防の用量表には行がない。添付文書17.1.5の注記も予防に関しては体重20kg以上の小児の用法・用量が承認されているとしている。7.1により20mg以上を投与する際に10mg錠は使用しない
ゾフルーザ錠10mg/ゾフルーザ錠20mg/ゾフルーザ顆粒2%分包 添付文書(2026年9月改訂 第7版)6. 用法・用量、7.1、17.1.5 注2)

予防の効能があるのは20mg錠と顆粒だけです

ここは規格で分かれています。添付文書が表まで付けて説明しています。

〈ゾフルーザ錠20mg、ゾフルーザ顆粒2%分包〉
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防

〈ゾフルーザ錠10mg〉
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症

効能・効果錠10mg錠20mg・顆粒2%分包
治療◯◯
予防―◯

10mg錠に予防の効能はありません。2錠包装が20mg錠に付いたのは、予防でも同じ「2錠」が1回分になることと無関係ではないと思います。

10mg錠2錠で20mgにしてはいけません

10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、20mg以上の用量を投与する際には、10mg錠を使用しないこと。

20mg錠の在庫が切れたとき、10mg錠2錠で代用できません。生物学的同等性が示されていないからです。シーズン中に一番やりたくなる代替が、明確に禁じられています。

予防で出すときの条件は、けっこう厳しめです

5.5 原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者のうち、インフルエンザウイルス感染症罹患時に、重症化のリスクが高いと判断される者※を対象とする。
※ 高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、代謝性疾患患者(糖尿病等)等

7.3 インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること。接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない。

7.4 本剤を服用した日から10日を超えた期間のインフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は確認されていない。

「家族が罹ったから念のため」では、原則から外れます。同居家族・共同生活者で、かつ重症化リスクが高い人が対象です。そして接触から2日以内、効果は10日まで。

予防投与は保険適用外(自費)である点も、交付時に伝わっているか確認してください。健康保険の療養の給付は「被保険者の疾病又は負傷に関して」行うもの(健康保険法第63条第1項)で、発症していない人への予防投与はこれに当たりません。

なお、塩野義のお知らせと同じ2026年9月7日に、「使用期限を9年として扱う」事務連絡(厚生労働省医薬局医薬品審査管理課)も出ています。ただし対象は国と都道府県の備蓄だけで、薬局の在庫は対象外です。詳しくはゾフルーザの使用期限9年は、薬局の在庫には適用されませんにまとめました。

ついでに——コロナ治療薬で予防の効能があるのはゾコーバだけです

同じ「接触後の予防」でも、COVID-19側は事情が違います。

効能・効果予防の用法
ゾコーバ
エンシトレルビル
SARS-CoV-2による感染症の治療及びその予防5日間
1日目375mg/2〜5日目125mg
ラゲブリオ
モルヌピラビル
SARS-CoV-2による感染症
(予防なし)
―
パキロビッドパック
ニルマトレルビル/リトナビル
SARS-CoV-2による感染症
(予防なし)
―
ゾフルーザ
バロキサビル
A型又はB型インフルエンザ
ウイルス感染症の治療及びその予防
単回
20mg錠2錠(80kg未満)

ラゲブリオにもパキロビッドにも、予防の効能はありません。そしてゾフルーザの予防は1回で終わり、ゾコーバは5日間飲み続けます。同じ「予防」でも負担がまったく違います。

接触後の開始期限も違います。ゾフルーザは接触後2日以内、ゾコーバは接触後72時間以内。どちらも服用開始日から10日を超えた予防効果は確認・確立されていません。

ただしゾコーバの予防には、警告が付いています

「予防に使える」だけを覚えると危険です。添付文書の「1. 警告」に、予防についての記載があります。

<予防>
SARS-CoV-2による感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤はワクチンに置き換わるものではない。

警告の項に書かれています。予防の効能が追加されたのは2026年3月の改訂ですが、同時にこの警告も置かれました。「飲めばワクチンの代わりになる」と受け取られることを、はっきり否定しています。

対象も絞られています。

5.5 本剤はSARS-CoV-2による感染症患者との接触後に投与するものであり、原則として、SARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者のうち、重症化リスク因子を有する者に投与すること。

8.2 妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、本剤投与の必要性を十分に検討すること。本剤を予防に用いる場合は、SARS-CoV-2による感染症患者への接触後に必ずしも感染症を発症するとは限らないことを踏まえ、本剤投与の必要性を特に慎重に検討すること。

8.2の理屈が効きます。予防投与は「まだ発症していない人」に飲ませるものです。接触しても発症しないかもしれない。治療より、投与の必要性を厳しく見る——そう書かれています。

そして投与開始前に、問診で妊娠していないことを確認することも求められています(8.2.1)。予防だからと軽く出せる薬ではありません。

※ 確認したのはゾコーバ(2026年6月改訂)、ラゲブリオ(2025年10月改訂・第13版)、パキロビッドパック(2026年3月改訂・第10版)の3剤です。パキロビッドパックの添付文書には「予防」の記載が一箇所もありません。効能は改訂されます。個々の製剤の効能は、当該製剤の添付文書でご確認ください。

なおゾコーバは相互作用が多い薬です。オレキシン受容体拮抗薬のクービビックとは併用禁忌——不眠症の薬を飲んでいる患者さんがCOVIDで受診したときに、実際に起こりうる組み合わせです。

まとめ

  • ゾフルーザ錠20mgに2錠包装ができました(添付文書2026年9月改訂・第7版の包装欄に追加)。10錠包装は継続します
  • 2錠=成人80kg未満の1回分です。治療も予防も同じ用量なので、1シートがまるごと1人分になります
  • 予防の効能があるのは20mg錠と顆粒だけ。10mg錠にはありません
  • 10mg錠2錠で20mgの代用はできません。生物学的同等性が示されていないためです
  • 予防の対象は同居家族・共同生活者のうち重症化リスクが高い人。接触後2日以内に開始し、効果は10日まで。保険適用外です
  • COVID-19治療薬3剤(ゾコーバ・ラゲブリオ・パキロビッドパック)のうち、「治療及びその予防」の効能があるのはゾコーバだけです。ゾフルーザの予防は単回、ゾコーバは5日間です

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「派遣」は、常勤か辞めるかの二択しかないと思っている人ほど知っておく価値があります。いま動く予定がなくても相場は交渉材料になりますし、地域差は大きい——厚労省の偏在指標で見ると、足りない地域ほど条件は動きます。在宅に移りたい方は「力を入れています」を届出で見分ける方法もどうぞ。

※ 本記事の制度・添付文書に関する記載はすべて原文を確認しており、広告主の影響を受けていません。

出典

※ 本記事は添付文書の原文に基づいています(2026年10月27日にPMDAで4剤とも再確認。版の変更なし)。
※ 予防投与は保険適用外です。費用と同意の取扱いは各医療機関の運用によります。

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