本部がネットで検査キットを売っていると、全店で加算が取れない|薬事未承認の検査サービスと地域支援体制加算

調剤報酬・制度改正
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。

店舗に置いていなくても、その薬局が属する法人がインターネットで売っていれば「薬局で売っている」とみなされます。結果、その法人の薬局は地域支援・医薬品供給対応体制加算2〜5を届け出られません。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準に、令和8年度改定でこの項目が入りました。読み飛ばすと、店舗側では何も悪いことをしていないのに落ちます。

要件の本文

当該保険薬局及び当該保険薬局に併設される医薬品の店舗販売業(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第25条第1号に基づく許可を有する店舗)において、薬事未承認の研究用試薬又は検査サービスを販売又は提供していないこと。

条文だけ読むと「うちの店には置いていないから関係ない」で終わります。そこに疑義解釈が来ました。

法人のECサイトも「薬局で販売している」とみなされる

問 ……とあるが、当該保険薬局が属する法人が、薬事未承認の研究用試薬又は検査サービスをインターネット上で販売又は提供している場合は、当該施設基準を満たすか。

(答)インターネット上で販売又は提供している場合は、当該保険薬局において販売又は提供しているものとみなす。したがって、施設基準を満たさないため、地域支援・医薬品供給対応体制加算の2から5までについては、届出をすることはできない。

効く範囲が「併設の店舗販売業」から「法人」まで広がりました。本部や別部門が運営しているECサイトで該当する商品を扱っていれば、その法人の薬局は届出ができません。店舗の努力ではどうにもなりません。

加算1(27点)については触れられておらず、名指しされているのは加算2から5までです。

では何が「薬事未承認の研究用試薬又は検査サービス」なのか

ここも疑義解釈で定義されています。

(答)公衆衛生の向上及び増進の観点から、

薬機法等に抵触するおそれのある、疾病の診断や罹患リスクの判定を行うことができると標榜する研究用試薬又は検査用試薬や、

医師法等に抵触するおそれのある、疾患の罹患可能性の提示や診断等の医学的判断を行う検査サービス

を指す。

ポイントは「標榜する」かどうかです。研究用試薬そのものが悪いのではなく、それで病気が分かる・罹患リスクが判定できると謳っているものが対象です。

そして続く問3で、逆側も明確にされています。

問 ……薬機法等に抵触するおそれのない研究用試薬又は検査用試薬や、医師法等に抵触するおそれのない検査サービスを販売又は提供をしても差し支えないか。

(答)差し支えない。

検査キットを一切扱うな、という話ではありません。体外診断用医薬品として薬事承認を受けた検査キットは、そもそもこの項目の対象外です。むしろ連携強化加算の施設基準では、感染症に係る体外診断用医薬品(検査キット)を提供できる体制が求められています。

確認すること

  1. 自局の店頭研究用試薬・検査用試薬・郵送検査サービスの取り扱いがないか
  2. 併設の店舗販売業ドラッグストア併設型は、薬局と店舗販売業で棚が分かれていても対象
  3. 法人が運営するECサイト・通販本部の物販、別ブランドのオンラインショップを含めて確認する。ここが今回の追加分
  4. その商品が何を標榜しているか「がんリスクが分かる」「◯◯病の可能性を判定」といった表示があれば要注意。薬事承認を受けた体外診断用医薬品なら問題ない

まとめ

  • 対象は薬局・併設の店舗販売業、そして法人のインターネット販売
  • 該当すると地域支援・医薬品供給対応体制加算2〜5は届出できない
  • 対象は「診断や罹患リスクの判定ができると標榜する」試薬・検査サービス
  • 抵触するおそれのないものは販売して差し支えない。薬事承認を受けた体外診断用医薬品は対象外

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出典

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