連携強化加算5点の全要件|施設基準12項目と「第二種協定指定医療機関」の指定【2026年度改定】

調剤報酬・制度改正
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。管理薬剤師を経て、現在はチェーン薬局の本社部門で店舗運営支援を担当しています。

この記事だけで、連携強化加算の届出準備が最後まで終わるように書きました。算定要件・施設基準12項目の全文・届出様式・算定できない薬局・点数計算の順序まで、通知と届出様式の原文から起こしています。

5処方箋受付1回につき調剤基本料「注6」の加算
12項目施設基準のチェック欄様式87の3の4。1〜10は全薬局共通
1番目第二種協定指定医療機関この指定がないと、届出そのものが出せない
連携強化加算でいちばん時間がかかるのは、薬局内の体制づくりではありません。都道府県との「医療措置協定」の締結です。締結日は都道府県が決めた日にまとめて設定されるため、思い立った月には指定が取れません。

準備の全体像は、この4ステップです。

  1. 第二種協定指定医療機関の指定を受ける都道府県と医療措置協定を締結する。締結日が決まっているので、いちばん先に着手する
  2. 施設基準12項目を満たす研修・訓練、個人防護具の備蓄、手順書、OTCと検査キットの販売、サイバーセキュリティ対策まで
  3. 地域に周知する自局のHPだけでは足りない。行政機関か薬剤師会を通じた周知が必要
  4. 様式87の3の4+別添2で届出地方厚生局へ。受理された月の翌月1日から算定できる

連携強化加算とは(5点・届出が必要)

調剤基本料の「注6」に規定された加算で、処方箋受付1回につき5点。施設基準の届出が必要です。

何を評価する加算なのかは、通知にこう書かれています。

連携強化加算は、他の保険薬局、保険医療機関及び都道府県等との連携により、災害又は新興感染症の発生時等の非常時に必要な体制が整備されている保険薬局において、調剤を行った場合に算定できる。この場合において、災害又は新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保していることについて当該保険薬局のほか、当該保険薬局の所在地の行政機関、薬剤師会等のホームページ等で広く周知すること。

短い条文ですが、要件が3つ入っています。①外部との連携 ②非常時の体制整備 ③その体制の周知。このうち③の周知は、体制を整えただけでは満たせません。あとで詳しく見ます。

最初の関門は「第二種協定指定医療機関」の指定

届出様式(様式87の3の4)の1番目のチェック欄が、これです。

□ 1 第二種協定指定医療機関の指定を受けている。

「医療機関」という名前ですが、薬局も指定の対象です。感染症法に基づき、都道府県知事と医療措置協定を締結した病院・診療所・薬局・訪問看護事業所のうち、発熱外来の実施または自宅療養者等への医療の提供を含む協定を結んだところが「第二種協定指定医療機関」に指定されます(病床確保を含む病院は第一種)。

薬局の場合は、都道府県の専用フォームから協議を申し込み、協定書を取り交わす流れになります。

締結日はまとめて設定される——思い立った月には取れない

ここが実務上いちばん効いてきます。協定の締結は随時ではなく、都道府県が決めた締切と締結日で運用されています。

東京都の例では、8月31日までに協議フォームを入力した薬局が、10月1日付で締結という案内が出ています。つまり9月に思い立った薬局は、この回に間に合いません。

締結日が10月1日なら、施設基準の届出はその後。受理された月の翌月から算定なので、協議の申込みから算定開始まで数か月かかると見ておく必要があります。連携強化加算を取りたいなら、最初にやるのは薬局内の準備ではなく、都道府県の協議フォームの締切確認です。

締切と手続きは都道府県ごとに違います。「◯◯県 医療措置協定 薬局」で検索すると、担当課のページに協定書のひな形と協議フォームが載っています。

指定を受けると付いてくるもの

  • 感染症の発生時に提供した外来医療・在宅医療が公費負担医療の対象になる
  • 厚生労働省からの個人防護具の優先配布の対象になる
  • 協定締結を要件とする施設・設備費の補助金の対象になる(都道府県により内容が異なります)

施設基準の2番に「個人防護具を備蓄している」があります。優先配布の対象になることと、備蓄要件はつながっています。

施設基準12項目の全文と、用意するもの

様式87の3の4のチェック欄をそのまま並べます。1〜10はすべての薬局が対象。11・12は特別調剤基本料Aを算定する薬局だけが記載します(様式の記載上の注意に明記されています)。

施設基準(様式の記載どおり)用意するもの・確認するもの
1第二種協定指定医療機関の指定を受けている。都道府県との医療措置協定書
2ア感染症の発生時における医療の提供にあたっての研修・訓練の実施(外部の機関での研修・訓練に参加する場合を含む。)研修の実施記録/外部研修の受講記録
2イ個人防護具を備蓄している。備蓄品目と数量の一覧
2ウ要指導医薬品及び一般用医薬品の提供、感染症に係る体外診断用医薬品(検査キット)の提供、マスク等の感染症対応に必要な衛生材料等の提供ができる体制を新型インフルエンザ等感染症等の発生等がないときから整備している。平時からの取扱品目リスト
3ア災害の発生時における医療の提供にあたっての研修・訓練の実施(外部の機関での研修・訓練に参加する場合を含む。)研修・訓練の実施記録
3イ自治体からの要請に応じて、避難所・救護所等における医薬品の供給又は調剤所の設置に係る人員派遣等の協力等を行う体制がある。派遣可能人員の想定・薬剤師会との取り決め
3ウ地方公共団体や地域の薬剤師会等と協議の上で、当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む近隣の保険薬局と連携して、夜間、休日等の開局時間外であっても調剤及び在宅業務に対応できる体制がある。時間外対応の連絡体制・輪番の取り決め
4災害の被災状況に応じた対応を習得する研修を薬局内で実施する、又は、地域の協議会・研修・訓練等に参加するよう計画を作成・実施している。年間の研修計画書と実施記録
5災害や新興感染症発生時等における薬局の体制や対応について、それぞれの状況に応じた手順書等を作成し、当該保険薬局の職員に対して共有している。手順書と、職員への共有記録
6災害や新興感染症発生時等において対応可能な体制を確保していることについて、自局及びグループによる周知。自局HP等の掲載画面
7「6」に係る薬局に係る地域での周知の方法(□地域の行政機関を通じて周知している/□地域の薬剤師会等を通じて周知している)掲載されているページのURL・スクリーンショット
8オンライン服薬指導の実施要領に基づき、通信環境の確保及び研修の実施がされていること。通信環境の整備状況・研修記録
9医療情報システムの安全管理に関するガイドラインや薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストを活用するなどして、サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行う体制を有していること。チェックリストの記入済みシート
10要指導医薬品及び一般用医薬品並びに検査キット(体外診断用医薬品)を販売している。販売実態(陳列・在庫)
11(特別調剤基本料Aのみ)特別な関係を有している保険医療機関が外来感染対策向上加算又は感染対策向上加算の届出を行った保険医療機関でないこと。厚生局の届出受理医療機関名簿で確認
12(特別調剤基本料Aのみ)特別な関係を有している保険医療機関名医療機関名を記入

この12項目を眺めると、「災害・感染症の加算」という名前から想像するより範囲が広いことが分かります。

  • 8番のオンライン服薬指導——非常時に来局できない患者への対応手段として位置づけられています。通信環境だけでなく研修の実施も要件です
  • 9番のサイバーセキュリティ——災害は自然災害だけではない、という整理です。薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストは厚労省が公開しています
  • 10番のOTC・検査キット販売——処方箋調剤しかしていない薬局は、この時点で要件を満たしません。「体制がある」ではなく「販売している」と書かれています

周知——自局のホームページだけでは足りない

算定要件の後半と、施設基準の6・7番が対応しています。6が「自局とグループでの周知」、7が「地域での周知」で、両方が必要です。

□ 6 災害や新興感染症発生時等において対応可能な体制を確保していることについて、自局及びグループによる周知。

□ 7 「6」に係る薬局に係る地域での周知の方法(該当する項目に☑する)
  □ 地域の行政機関を通じて周知している。
  □ 地域の薬剤師会等を通じて周知している。

7番は「行政機関」か「薬剤師会」のどちらかに☑を入れる欄です。自局のホームページに書いただけでは、この欄が埋まりません。

実務としては、次の順でやると早いです。

  1. 地域の薬剤師会に問い合わせる非常時対応薬局のリストを公開しているか、掲載してもらえるかを聞く。多くの薬剤師会が取りまとめています
  2. 掲載されたページを確認して記録するURLとスクリーンショットを保存。届出後に問われたときの根拠になります
  3. 自局のホームページにも掲載する6番の要件。「災害・感染症発生時にも調剤に対応します」と明記する

体制は整えたが周知の確認をしていない、という状態は起こりやすい部分です。7番のチェックを入れる根拠が手元にあるかを、届出前に確かめてください。

届出:様式87の3の4と別添2

提出するのは2点です。

書類内容
別添2
(薬連強)
特掲診療料の施設基準等に係る届出書。届出事項欄に「連携強化加算」と記入し、不正・不当な届出がないこと等の4つのチェックに「レ」を入れて、開設者名で地方厚生局長宛に提出
様式87の3の4連携強化加算の施設基準に係る届出書添付書類。上表の12項目に「✓」を入れる

届出書は1通提出。様式は各地方厚生局の「特掲診療料の届出様式」のページからダウンロードできます(WordとExcel、PDFの両方が置かれています)。

届出が受理されると、受理された月の翌月1日から算定できます(月の最終日までに受理された場合。地方厚生局の運用に従ってください)。

算定できない薬局が2種類ある

特別調剤基本料Bの薬局

連携強化加算は特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。

条件なしで算定不可です。

特別調剤基本料Aで、連携先が感染対策の加算を届け出ている場合

連携強化加算は、特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、「特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)」第十五の四の三に規定する保険医療機関が医科点数表の「A000」初診料の「注11」及び「A001」再診料の「注15」に規定する外来感染対策向上加算又は医科点数表の「A234-2」及び歯科点数表の「A224-2」感染対策向上加算の届出を行った保険医療機関である場合は、算定できない。

いわゆる同一敷地内薬局で、特別な関係にある医療機関が感染対策の加算を取っている場合です。同じ感染対策体制を、医療機関と薬局で二重に評価しないという趣旨と読めます。

該当しそうな薬局は、連携先の医療機関の届出状況を、地方厚生局が公開している「届出受理医療機関名簿」で確認してください。医療機関側が新たに届け出れば、薬局側は算定できなくなります。一度確認して終わりではなく、定期的に見る項目です。

特別調剤基本料Aでは、加算の点数が逆転する

ここは通知の末尾にある、読み飛ばされやすい規定です。

次に掲げる調剤基本料に規定する加算及び減算について、これらのうち複数に該当する場合は、最初に所定点数に「注3」(100分の80)及び「注4」(100分の50)のうち該当するものを乗じ、小数点以下第一位を四捨五入する。次に「注5」の地域支援・医薬品供給対応体制加算、「注6」の連携強化加算、「注7」のバイオ後続品調剤体制加算、「注8」の後発医薬品減算、「注12」の在宅薬学総合体制加算1、「注13」の在宅薬学総合体制加算2、「注14」の電子的調剤情報連携体制整備加算及び「注15」の門前薬局等立地依存減算のうち該当するもの(特別調剤基本料Aを算定する保険薬局においては、「注5」の地域支援・医薬品供給対応体制加算、「注7」のバイオ後続品調剤体制加算、「注12」の在宅薬学総合体制加算1及び「注13」の在宅薬学総合体制加算2の所定点数に100分の10を乗じ、それぞれ小数点以下第一位を四捨五入する。)の加算等を行う。ただし、当該点数が3点未満になる場合は、3点を算定する。

100分の10に削られるのは注5・注7・注12・注13注6の連携強化加算は、この4つに入っていません。つまり特別調剤基本料Aの薬局でも、連携強化加算は5点のまま算定できます。

結果、点数の大小がひっくり返ります。

地域支援・医薬品供給
対応体制加算4
37点
└ 特別調剤基本料A4点
連携強化加算5点
└ 特別調剤基本料A5点

37点 × 100分の10 = 3.7 → 四捨五入して4点。連携強化加算は減額の対象外なので5点のまま。特別調剤基本料Aの薬局では、37点の加算より5点の加算のほうが高くなります。

ただし前項のとおり、特別調剤基本料Aの薬局は連携先の医療機関が感染対策向上加算を届け出ていれば、そもそも算定できません。逆に言えば、連携先が届け出ていない場合、連携強化加算は特別調剤基本料Aの薬局に残された数少ない満額の加算ということになります。5点だからと後回しにする理由はありません。

もうひとつ、「当該点数が3点未満になる場合は、3点を算定する」という下限も置かれています。100分の10で削った結果が2点台になっても、3点は残る仕組みです。

平時からやっておくよう通知が名指ししていること

災害時においては、オンライン資格確認等システムの「緊急時医療情報・資格確認機能(災害時医療情報閲覧)」(災害時モード)を用いることにより、被災により手帳やマイナ保険証を確認することができない患者であっても薬剤情報等の把握が可能となり、更に電子処方箋管理サービスへの調剤情報の登録により直近の薬剤情報が充実することを念頭に置いて、平時よりこれらのシステム等の活用に努めること。

災害時モードは、被災してマイナ保険証も手帳も持っていない患者さんの薬剤情報を確認できる仕組みです。ただし、いざというときに使えるかどうかは平時に触っているかで決まります。災害当日に初めて操作する、では間に合いません。

そして電子処方箋管理サービスへの調剤情報の登録。登録が進んでいるほど、災害時に参照できる情報が充実します。電子処方箋の導入が、非常時の備えとして位置づけられているということです。

届出前チェックリスト

  • ◻️ 第二種協定指定医療機関の指定を受けている(都道府県との医療措置協定書が手元にある)
  • ◻️ 感染症・災害それぞれについて、研修または訓練を実施した記録がある(外部研修の受講記録でも可)
  • ◻️ 個人防護具を備蓄し、品目と数量を一覧にしてある
  • ◻️ 平時から、要指導医薬品・一般用医薬品・検査キット・衛生材料を実際に販売している
  • ◻️ 避難所・救護所への人員派遣に応じる体制を、薬剤師会等と取り決めてある
  • ◻️ 夜間・休日の時間外に、単独または近隣薬局との連携で調剤・在宅に対応できる体制がある
  • ◻️ 災害対応の研修計画を文書で作成し、実施している
  • ◻️ 非常時の手順書を作成し、職員に共有した記録がある
  • ◻️ 自局のホームページ等に、非常時対応が可能である旨を掲載している
  • ◻️ 行政機関または薬剤師会のページに掲載されていることを、URLで確認した
  • ◻️ オンライン服薬指導の通信環境を整備し、研修を実施した
  • ◻️ 薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストに記入済み
  • ◻️ 特別調剤基本料Bではない
  • ◻️ (特別調剤基本料Aの場合)特別な関係にある医療機関が、外来感染対策向上加算・感染対策向上加算を届け出ていないことを名簿で確認した

まとめ

  • 連携強化加算は処方箋受付1回につき5点。調剤基本料の「注6」、施設基準の届出が必要
  • 施設基準は12項目(様式87の3の4)。1〜10は全薬局、11・12は特別調剤基本料Aのみ
  • 1番目が第二種協定指定医療機関の指定。都道府県との医療措置協定で、締結日がまとめて設定されるため最初に着手する
  • 要指導医薬品・一般用医薬品・検査キットを「販売している」ことが要件。処方箋調剤専業では満たせない
  • 周知は自局+(行政機関または薬剤師会)の二段構え。自局のHPだけでは足りない
  • 特別調剤基本料Bは算定不可。Aは、連携先医療機関が感染対策向上加算等を届け出ていれば算定不可
  • 特別調剤基本料Aでも連携強化加算は100分の10の対象外=5点のまま。37点の地域支援体制加算が4点になるため、点数が逆転する
  • 災害時モードと電子処方箋は「平時から使え」と通知が明記している

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出典

※ 本記事は上記の通知・届出様式の原文に基づいて作成しています。医療措置協定の協議締切・締結日、および薬剤師会の周知リストの運用は都道府県ごとに異なります。その2点だけは、お住まいの都道府県の担当課と地域の薬剤師会でご確認ください。制度改正や疑義解釈の追加があった場合は本記事を更新します。

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