調剤後薬剤管理指導料は地域支援・医薬品供給対応体制加算2〜5がないと取れません|糖尿病・慢性心不全 各60点の条件

調剤後薬剤管理指導料は地域支援体制加算2〜5がないと取れません 糖尿病・慢性心不全 各60点の条件 調剤報酬・制度改正
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。管理薬剤師を経て、現在はチェーン薬局の本社部門で店舗運営支援を担当しています。

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調剤後薬剤管理指導料は各60点。ただし地域支援・医薬品供給対応体制加算の「2から5まで」のいずれかを届け出ていないと算定できません。加算1だけの薬局は対象外です。
601(糖尿病)・2(慢性心不全)とも月1回まで
2〜5必要な届出地域支援・医薬品供給対応体制加算1だけでは取れない
2電話できない日調剤と同日/次に処方箋を受けた日

前提:どの届出が要るか

調剤後薬剤管理指導料1は、新たに糖尿病用剤が処方等された患者に対し、薬物治療を適切に継続する観点から、地域支援・医薬品供給対応体制加算の2から5までのいずれかを届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受診中の保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。

「2から5まで」です。加算1(27点)は全区分の土台ですが、この指導料の要件には入りません。実績要件を満たして加算2〜5のどれかを届け出ている薬局だけが対象です。

逆に言えば、加算2〜5を持っている薬局は、この60点を取れる立場にあります。そして——後で書きますが、この指導料を算定すると、加算の実績要件のほうにも効きます。

※ 令和8年度改定で「地域支援体制加算」は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」に名称が変わりました。本記事は正式名称で記載しています。

1(糖尿病)の対象は、新規処方だけではありません

(1)の「新たに糖尿病用剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。

ア 新たに糖尿病用剤が処方された患者
イ 糖尿病用剤の用法・用量の変更があった患者

イを見落としがちです。「新たに」という言葉から新規処方だけを想像しますが、用法・用量が変わった患者も対象です。増量、減量、朝夕から朝のみへ——すべて入ります。

糖尿病用剤は継続処方が多い一方、用量調整は頻繁に起きます。ここを拾えるかどうかで件数がまったく変わります。

2(慢性心不全)は、入院歴が必須です

調剤後薬剤管理指導料2は、心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者に対し、……特に入院歴を有する慢性心不全患者の再入院を抑制する観点から、……算定する。なお、当該指導料に係る薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。

(3)の「心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者」とは、日本循環器学会及び日本心不全学会が作成する最新の「急性・慢性心不全診療ガイドライン」等を参照し、複数の作用機序の異なる循環器疾患に係る治療薬の処方を受けている慢性心不全患者をいう。

条件は3つ重なっています。

  • 慢性心不全であること
  • 心疾患による入院歴があること ← ここが抜けやすい
  • 作用機序が異なる複数の循環器疾患治療薬の処方を受けていること

入院歴がなければ対象外です。趣旨が「再入院の抑制」なので、そこが軸になっています。入院歴は患者や家族から聞き取ることになります。

「作用機序が異なる複数の治療薬」は、ガイドラインを参照して判断します。同じ系統を2剤ではなく、機序の違う組み合わせという意味です。

きっかけは、薬局からではありません

調剤後薬剤管理指導料に係る電話等による当該治療薬の服薬状況の確認等は、以下のいずれかの場合に患者の同意を得て行うものであること。

ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあり、保険薬剤師が調剤後の薬剤管理指導を必要と認め、医師の了解を得た場合

……調剤後の糖尿病又は慢性心不全の治療薬の服薬状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話等による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者等に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。

薬局が思い立って電話する、では算定できません。医療機関からの求めか、患者・家族の求め+医師の了解が要ります。そして患者の同意も別に必要です。

だから連携の入口をつくることが先になります。医療機関に「新規や用量変更のときは声をかけてください」と話を通しておく。そこから始まります。

なお「一律の内容の電子メールを一斉送信すること」だけでは継続的服薬指導になりませんと明記されています。個々の患者の状況に応じた対応が要ります。

電話してはいけない日が2日あります

当該指導料に係る薬剤の調剤と同日及びその次に処方箋を受け付ける日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。なお、電話等により使用状況の確認等を行った結果、受診勧奨により患者が保険医療機関を受診し、その処方箋を持参した場合及び調剤後薬剤管理指導料の要因となった処方箋を発行した医療機関以外からの処方箋を持参した場合は、この限りではない。

いつ電話したか算定
調剤したその日不可
次に処方箋を受け付けた日不可
その間の日
受診勧奨の結果、患者が受診して処方箋を持参した日(例外)
別の医療機関の処方箋を持参した日(例外)

「渡すときに一緒に聞いた」では取れません。調剤後に、日を改めて確認するのが趣旨です。

情報提供の中身も決められています

医療機関への情報提供に当たっては、単に確認された服薬状況、副作用の状況を記載して情報提供するだけでなく、医療機関との連携の下で、処方医等の求めに応じた情報の収集と、薬学的分析及び評価に基づく情報提供を実施するとともに、必要に応じて処方に係る提案等を行うこと。この際、体重の増減、塩分摂取、飲水の状況など、薬学的管理に密接に関係する情報も積極的に収集し、活用することが望ましい。

「飲めています」だけの報告では足りません。分析と評価、そして必要なら処方提案まで求められています。

通知が体重の増減・塩分摂取・飲水の状況を名指ししているのが特徴です。心不全の管理でまさに見るべきところで、聞くべき項目が通知に書いてあるというのは珍しいことです。電話の型を作るなら、ここを入れておけば外しません。

加算の実績にも効きます

ここが本当の狙いどころです。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件「キ(服薬情報等提供料の算定回数が30回以上/加算4・5は60回以上)」には、「相当する業務」を含められます。そこに調剤後薬剤管理指導料が名指しで入っています。

(4)のキの「服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務」とは次のものをいう。

・服薬管理指導料の特定薬剤管理指導加算2及び吸入薬指導加算(文書により情報提供した場合に限る)
調剤後薬剤管理指導料
・服用薬剤調整支援料2

つまり循環しています。

  1. 地域支援・医薬品供給対応体制加算2〜5を届け出るこれが調剤後薬剤管理指導料の前提
  2. 調剤後薬剤管理指導料を算定する60点。糖尿病または慢性心不全
  3. その回数が実績キに乗る服薬情報等提供料の「相当する業務」として
  4. 加算の維持・上位区分に効くキは加算3・5で必要な7項目のひとつ

なおこの指導料の算定時に行う情報提供では、服薬情報等提供料そのものは算定できません(同(10))。二重には取れませんが、実績としてはカウントできるという関係です。

チェックリスト

  • ◻️ 地域支援・医薬品供給対応体制加算の2〜5のいずれかを届け出ている
  • ◻️ 糖尿病は新規処方だけでなく用法・用量の変更も拾っている
  • ◻️ 心不全は心疾患による入院歴を確認した
  • ◻️ 心不全は作用機序の異なる複数の治療薬が処方されている
  • ◻️ きっかけが医療機関の求め、または患者・家族の求め+医師の了解である
  • ◻️ 電話についてあらかじめ患者の了承を得ている
  • ◻️ 調剤と同日/次に処方箋を受け付けた日に確認していない
  • ◻️ 情報提供に薬学的分析・評価と、必要なら処方提案を入れた
  • ◻️ 心不全では体重・塩分・飲水を聞いた
  • ◻️ 同じ情報提供で服薬情報等提供料を重ねて算定していない

まとめ

  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算の2〜5がないと算定できない。加算1だけでは対象外
  • 糖尿病は用法・用量の変更でも対象。新規処方だけではない
  • 慢性心不全は心疾患による入院歴が必須。趣旨は再入院の抑制
  • 調剤と同日・次に処方箋を受けた日は算定できない(受診勧奨等の例外あり)
  • 情報提供は分析と評価、必要なら処方提案まで。体重・塩分・飲水が名指しされている
  • 算定回数が地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績キに乗る。加算を取るほど取りやすく、取るほど加算が維持しやすい

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※ 本記事の制度・添付文書に関する記載はすべて原文を確認しており、広告主の影響を受けていません。

出典

※ 慢性心不全の治療薬の該当性は、日本循環器学会・日本心不全学会の最新の「急性・慢性心不全診療ガイドライン」等を参照して判断してください。

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