外来服薬支援料1は「自局で受けた処方箋の薬」では算定できません|4ケースを疑義解釈の原文で判定

外来服薬支援料1は「自局で受けた処方箋の薬」では算定できません|4ケースを疑義解釈の原文で判定 調剤報酬・制度改正
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外来服薬支援料1は、算定を間違えやすい項目です。

「2枚の処方箋の薬をまとめて一包化したから外来服薬支援料1」——これが典型的な誤りです。

185外来服薬支援料1月1回に限り
0同時に算定できる調剤技術料調剤基本料も算定できない
1つだけ判定の分かれ目処方箋によるか、持参薬か

グレーに見えるところが多い項目ですが、判定の線は1本しかありません。そこを押さえれば、たいていのケースは自分で切れます。

告示・留意事項通知・疑義解釈の原文から整理します。

先に結論——よくある4ケース

2枚の処方箋の薬剤を一包化した、という前提で並べます。

ケース外来服薬支援料1結論
① 同一病院の別診療科
/違う日に受付

(2枚とも自局で受付)
×算定できない。自局が受け付けた処方箋の薬だから
② 異なる医療機関
/違う日に受付

(2枚とも自局で受付)
×算定できない。同上(医療機関が違っても同じ)
③ 異なる医療機関
/同じ日に受付

(2枚とも自局で受付)
×算定できない。同上
④ 他薬局で調剤された薬を持参
+今回の処方箋
1か2のどちらか一方だけ。併算定不可

①②③は、すべて「×」です。

「2枚の処方箋」がどちらも自局で受け付けたものなら、日付が違っても、医療機関が違っても、外来服薬支援料1は算定できません。

算定の可能性が出てくるのは、④——自局が処方箋を受け付けていない薬が混ざるときだけです。

なぜそうなるのか、順に見ていきます。

分かれ目は「処方箋によるか、持参薬か」

告示の注をそのまま読みます。

1については、自己による服薬管理が困難な患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、患者の服薬管理を支援した場合に月1回に限り算定する。

「服薬中の薬剤」です。これから調剤して渡す薬ではありません。

留意事項通知は、さらに具体的に書いています。

外来服薬支援料1は、保険薬局の保険薬剤師が、自己による服薬管理が困難な外来の患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じ、当該患者又はその家族等が持参した服薬中の薬剤について、治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性を判断し、当該薬剤を処方した保険医にその必要性につき了解を得た上で、一包化及び服薬カレンダー等の活用により薬剤を整理し、日々の服薬管理が容易になるよう支援した場合に……服薬支援1回につき、月1回に限り算定する。

「持参した」——ここが核心です。

そして、決定的な一文がこれです。

外来服薬支援料1に係る外来服薬支援は、処方箋によらず、調剤済みの薬剤について服薬管理の支援を目的として行うものであるため、薬剤の一包化を行った場合でも、調剤基本料等の調剤技術料は算定できない。

「処方箋によらず、調剤済みの薬剤について」。外来服薬支援料1は、処方箋のない世界の点数です。

だから調剤基本料すら算定できません。ここを知らずに「一包化したから185点」と算定すると、調剤技術料まで一緒に請求してしまいます。

一方、外来服薬支援料2は「処方箋受付ごと」

対になる項目を並べると、性格の違いがはっきりします。

外来服薬支援料1外来服薬支援料2
対象患者が持参した服薬中の薬剤(調剤済み)その処方箋で調剤する薬剤
処方箋よらない受付ごと
点数185点42日分以下:投与日数が7又はその端数を増すごとに34点
43日分以上:240点
回数月1回処方箋受付1回につき1回
調剤技術料算定できない同時に算定できる
出典:調剤報酬点数表 区分14の2/留意事項通知

そして、両者の関係を決めている一文があります。

外来服薬支援料2は、処方箋受付1回につき1回算定できるものであり……この場合において、外来服薬支援料1は算定できない。

2を算定したら、1は算定できない。これが全ケースに効いてきます。

①②③——自局で2枚とも受け付けたら、すべて「×」

ここが一番の分かれ目です。厚生労働省が正面から答えています。

(問1)同一又は異なる保険医療機関の複数診療科から処方日数の異なる処方せんを保険薬局が受け付けた場合、薬剤等を整理し、日々の服薬管理が容易になるように支援すれば、その都度、外来服薬支援料を算定できるのか。

(答)算定できない。外来服薬支援料は、患者または家族が持参した「服薬中の薬剤」に関する服薬支援を評価しているものである。

この1問が、①②③をまとめて片付けています。

問の書き方を見てください。「同一又は異なる保険医療機関の」——医療機関が同じでも違っても、区別していません。「複数診療科から」——診療科が違っても同じ。そして「処方日数の異なる」「その都度」——受け付けた日が違う場面を想定しています。

①②③が全部この問の中に入っています。答えは「算定できない」。

理由は1行で書かれています

「持参した『服薬中の薬剤』に関する服薬支援を評価しているもの」だからです。

自局が処方箋を受け付けて調剤した薬は、患者が「持参した」薬ではありません。薬局が渡した薬です。

留意事項通知の「処方箋によらず、調剤済みの薬剤について」という一文と、完全に同じことを言っています。外来服薬支援料1は、処方箋を受け付けた場面の点数ではない。

「前回の薬を持ってきたから持参薬」にはなりません

ここは引っかかりやすいところだと思います。

10月1日に自局で調剤した薬を、患者が10月5日に持ってきた——形の上では「持参」しています。

しかしその薬は、自局が処方箋を受け付けて調剤したものです。疑義解釈が否定しているのは、まさにこの形です。持って来たかどうかではなく、自局が処方箋を受け付けた薬かどうかで決まります。

ではどう算定するか

外来服薬支援料2です。

2枚目の処方箋を受け付けて一包化するなら、それは処方箋に基づく調剤です。一包化指示があれば——なければ薬剤師が必要と認めて医師の了解を得れば——外来服薬支援料2を算定し、調剤技術料も同時に算定できます。

①②③で「外来服薬支援料1を算定しようとしている」なら、そこは誤りです。

③にだけ残るグレー

③(異なる医療機関の処方箋を同日に受付)には、明文化されていない部分が残ります。

外来服薬支援料2は「処方箋受付1回につき1回」です。2枚を同時に受け付ければ受付は2回。形式上はそれぞれ算定できることになります。

ところがまとめて1つに一包化した場合、投与日数をどう数えるのかは、告示にも留意事項にも書かれていません。A病院14日分・B病院28日分を1包化したとき、34点をいくつ積むのか。

この点について公表された取扱いは見つけられませんでした。令和4年度から令和8年度までの疑義解釈資料と、平成24年度のその1〜その11も全文検索しましたが、該当はありません。重複して積むのは無理があるので、摘要欄に算定の考え方を書き添えるのが安全です。

④ 他薬局の薬を持参+今回の処方箋

このケースにはぴったりの疑義解釈があります。

問35 処方医からの一包化薬の指示がある処方箋と共に、他の薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤を併せて薬局に持参した場合であって、処方箋に基づく調剤を行う際に全ての薬剤の一包化を行い、服薬支援を行った場合には、外来服薬支援料2は算定可能か。

(答)他の薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤を一包化したことに対しては外来服薬支援料1、一包化薬の指示がある処方箋を一包化したことに対しては外来服薬支援料2を算定できるが、併算定不可。

どちらも算定できる。ただし片方だけ。——国が明言しています。

そして留意事項は、他薬局の薬だけを一包化した場合も算定できることを明記しています。

……結果として、他の保険薬局で調剤された薬剤又は保険医療機関で院内投薬された薬剤のみについて服薬支援を行うこととなった場合(当該保険薬局で調剤を受けていない患者が持参した、他の保険薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤について服薬支援を行う場合を含む。)でも算定できる。

自局で1枚も処方箋を受けていない患者でも、算定できます。これは知っておく価値があります。

ただし同じ(2)は、こうも求めています。

実際にこれらの薬剤も含めて服薬支援を行う場合には、重複投薬、相互作用等の有無を確認し、処方医に必要な照会を行い、適切な措置を講じる。

他院の薬をまとめて一包化するなら、重複・相互作用のチェックと照会までが算定要件ということです。

応用:前回の残薬を、今回の処方と一緒に一包化したら

よくある場面です。自局で調剤した薬が数日分余っていて、後日、別の診療科の処方箋と一緒に持って来られた。まとめて一包化した——外来服薬支援料1は算定できるでしょうか。

算定できません。

残薬は自局が処方箋を受け付けて調剤した薬です。平成24年8月9日の疑義解釈が否定している、まさにその形にあたります。

④で外来服薬支援料1が視野に入ったのは、令和4年の問35が対象を「他の薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤」と列挙しているからでした。自局調剤の残薬は、この列挙に入っていません。

なお、「自局で調剤した残薬」を正面から扱った疑義解釈は見つけられませんでした。令和4年度から令和8年度までの疑義解釈資料と平成24年度分、あわせて40本以上を全文検索した結果です。上の結論は、2つの疑義解釈の射程からの整理になります。

それより大事なことが2つあります

このケースでは、外来服薬支援料1の可否よりこちらのほうが実害が大きいと思います。

論点内容
①投与日数に残薬を足さない外来服薬支援料2は「当該内服薬の投与日数」で算定します(告示 注3)。今回14日分+残薬5日分を一包化しても68点であって、19日分=102点ではありません
②残薬調整のほうが筋照会して今回の日数を減らせば残薬は解消し、6日分以下でも理由をレセプトに記載すれば調剤時残薬調整加算30点が算定できます

残薬を黙って一包化に混ぜるのが、いちばんもったいない選択です。詳しくは外来服薬支援料2の記事にまとめました。

「注2」とブラウンバッグ運動

外来服薬支援料1には、性格の違う2つの入口があります。告示の注1と注2です。

1については、患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、患者又はその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合についても、所定点数を算定できる。

注1は「整理して支援する」、注2は「整理して医療機関に伝える」。点数はどちらも185点で、合わせて月1回です。

そして注2には、算定の前提条件が付いています。ここに出てくるのがブラウンバッグ運動です。

「注2」については、患者が保険薬局に持参した服用中の薬剤等の服薬管理を行い、その結果を関係する保険医療機関へ情報提供した場合に算定できる。算定に当たっては、あらかじめ、患者又はその家族等に対して、保険薬局へ服用中の薬剤等を持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋等を提供し、患者等が薬剤等を持参することで服薬管理を行う取組(いわゆるブラウンバッグ運動)を周知しておく。

ブラウンバッグ運動とは、名前のとおり「茶色い紙袋」の運動です。患者さんに袋を渡して、家にある薬を全部そこに入れて持って来てもらう——それだけの取り組みです。

他院の薬、市販薬、飲み残し、いつのものか分からない薬。袋ひとつで全部出てきます。

注目したいのは、留意事項が「あらかじめ」「周知しておく」と書いていることです。

袋を配って周知しておくところまでが算定の前提だということになります。患者さんがたまたま薬を持ってきたから注2、という話ではありません。薬局が先に仕掛けておく必要があります。

裏を返せば、袋と声かけを用意していない薬局は、注2の入口に立てていないということでもあります。

どちらを選ぶか——185点との比較

「1か2のどちらか」となったとき、点数で比べます。

一包化した投与日数外来服薬支援料2外来服薬支援料1(185点)との比較
7日分34点1のほうが高い
14日分68点1のほうが高い
28日分136点1のほうが高い
35日分170点1のほうが高い
42日分204点2のほうが高い
43日分以上240点2のほうが高い

分かれ目は42日分です。41日分以下なら1(185点)のほうが高く、42日分以上なら2が上回ります。

——ただし、点数だけで選ぶ話ではありません。大事な違いがあります。

外来服薬支援料2を算定する場合は、当該処方箋の調剤に係る調剤技術料を同時に算定できる。

外来服薬支援料1……薬剤の一包化を行った場合でも、調剤基本料等の調剤技術料は算定できない。

処方箋を受け付けて調剤しているなら、調剤技術料が算定できる外来服薬支援料2を選ぶのが基本です。28日分で136点でも、調剤技術料が乗るぶん総額は上になります。

外来服薬支援料1が主役になるのは、処方箋を受け付けていない場面——持参薬の整理だけを行ったときです。そこを取り違えないようにしたいところです。

そのほか、算定できない場面

場面取扱い
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者算定できない(他の医療機関・薬局が訪問指導している患者も不可)
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月算定できない
在宅移行初期管理料で実施した服薬管理の支援別途算定できない
かかりつけ薬剤師訪問加算を算定している患者算定できない
特別調剤基本料Bを算定している薬局算定できない
特別調剤基本料Aの薬局が、不動産取引等の特別な関係のある医療機関へ情報提供した場合算定できない(注2の情報提供)
整理をせず、服薬指導だけ行った算定できない
出典:留意事項通知 区分14の2、区分15、在宅移行初期管理料、服薬管理指導料 注14

最後の1行は、意外と効きます。

なお、服薬管理を容易にするような整理を行わずに単に服薬指導を行っただけでは算定できない。

持参薬を確認して指導しただけでは足りません。一包化か服薬カレンダー等で「整理」した実体が要ります。

繰り返しの算定にも制限があります

 院内投薬された薬剤を持参した患者に対して……外来服薬支援料を算定した場合において、その後も引き続き一包化が行われずに院内投薬が行われたため、繰り返し当該薬局で外来服薬支援を実施したような場合、毎回、外来服薬支援料を算定してよいか。

(答)質問の例においては、本来、服薬支援の必要性を認識している処方医が自院で薬剤の一包化をするか、又は、処方せんにより薬局での一包化を指示すべきものであると考えられるため、繰り返し外来服薬支援料を算定することはできない。

月1回の枠があるからといって、毎月機械的に算定してよいわけではないということです。

留意事項も、同じ趣旨を求めています。

服用薬の整理等の支援を行った場合においては、当該支援が必要となった背景、理由等を分析し薬学的管理を実施するとともに、同様の支援が今後必要とならないように努めること。

「今後必要とならないように努めること」——毎月続いているなら、処方元に一包化指示を出してもらうよう動くのが本筋です。

算定前チェックリスト

  • ◻️ 支援した薬は「持参した調剤済みの薬」か(処方箋で調剤した薬ではないか)
  • ◻️ 処方医の了解を得たか(治療上の必要性と支援の必要性について)
  • ◻️ 整理の実体があるか(一包化・服薬カレンダー等。指導だけでは不可)
  • ◻️ 同じ処方箋で外来服薬支援料2を算定していないか(併算定不可)
  • ◻️ 外来服薬支援料1で調剤技術料を算定していない
  • ◻️ 今月すでに算定していないか(月1回)
  • ◻️ 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者・算定した月ではないか
  • ◻️ 他院・他薬局の薬も含めるなら、重複投薬・相互作用を確認し照会したか
  • ◻️ 薬歴に処方医の了解を得た旨/情報提供した内容、薬剤名、支援の内容と理由を記載したか
  • ◻️ 毎月続いているなら、処方元に一包化指示を依頼したか

9つ目は算定要件そのものです。

外来服薬支援料1を算定する場合は、服薬支援に係る薬剤の処方医の了解を得た旨又は情報提供した内容並びに当該薬剤の名称、服薬支援の内容及び理由を薬剤服用歴等に記載する。

まとめ

  • 外来服薬支援料1は「処方箋によらず、調剤済みの薬剤について」の点数。だから調剤基本料等の調剤技術料は算定できません
  • 処方箋で調剤した薬を一包化したなら、それは外来服薬支援料2です
  • 1と2は併算定できません。両方の性格が混ざる場面では、必ずどちらか一方
  • ①②③——2枚とも自局で受け付けた処方箋なら、外来服薬支援料1は算定できません。日付が違っても、医療機関が違っても同じです〔平成24年8月9日 事務連絡(その8)別添3 問1〕
  • 同疑義解釈は「同一又は異なる保険医療機関の複数診療科」「処方日数の異なる」「その都度」と明示。①②③はすべてこの問の射程に入っています
  • ④——自局が処方箋を受け付けていない薬(他薬局調剤薬・院内投薬薬)が混ざるときだけ、1が視野に入ります。ただし2との併算定は不可〔令和4年3月31日 事務連絡(その1)問35〕
  • 「前回の薬を持ってきたから持参薬」にはなりません。持って来たかどうかではなく、自局が処方箋を受け付けた薬かどうかで決まります
  • 前回の残薬を今回の処方と一緒に一包化した場合も、外来服薬支援料1は算定できません。残薬は自局が受け付けた処方箋の薬だからです
  • 選択の分かれ目は42日分。ただし調剤技術料が乗る外来服薬支援料2が基本です
  • 他薬局の薬だけを整理した場合も算定できます(自局で処方箋を受けていない患者でも可)
  • 整理をせず指導だけでは算定できません。繰り返しの算定にも制限があります

グレーに見える項目ですが、線は1本です。「自局が処方箋を受け付けた薬か、そうでない薬か」——ここで切れば、ほとんどのケースは自分で判定できます。

残る本当のグレーは、③で2枚分の外来服薬支援料2をどう数えるかだけでした。ここは公表された取扱いが見当たらないので、摘要欄に考え方を書き添えるのが現実的な対応になります。

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