価格交渉を代行に丸投げしていると要件を満たさない|単品単価交渉は様式85で機械的に判定される

価格交渉を代行に丸投げしていると要件を満たさない 単品単価交渉は様式85で機械的に判定される 調剤報酬・制度改正
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執筆:Nori(薬Talk編集長・薬剤師)/調剤薬局勤務26年。

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地域支援・医薬品供給対応体制加算1の要件に「原則として全ての品目について単品単価交渉」があります。品目ごとに価格を決めていても、やり方によっては該当しません。通知は、価格交渉の代行業者を名指ししています。
調剤基本料50%減算の3条件と妥結率の計算式。遡及条項があると未妥結、単品単価交渉が望ましい
出典:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第8号)第91
単品単価交渉の定義と判定。施設基準は原則として全ての品目について単品単価交渉とすることを求め、単品単価交渉とは他の医薬品の価格の影響を受けず地域差や取引条件を踏まえ個別品目ごとに取引価格を決める交渉をいう。判定は様式85(妥結率等に係る報告書)の3の(1)で単品単価交渉を行っていないに非該当であること、様式85未提出は要件を満たさない。該当しない4類型は総価値引率を用いた交渉、全国最低価格に類する価格をベンチマークとした交渉、取引条件を考慮しない一方的な交渉、加盟施設の地域差や確認を経ない代行業者の交渉。令和8年11月末日までの経過措置がある
厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」第92 地域支援・医薬品供給対応体制加算 1(2)オ・6(2)ア〜エ(令和8年度)/厚生労働省保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その7)」(令和8年5月29日 事務連絡)別添3 調剤 問1

判定は自己申告ではありません

……直近に地方厚生(支)局長等に届け出た別添2の様式85(妥結率等に係る報告書)の3の(1)において、「単品単価交渉を行っていない」に非該当であることで本要件を満たすものとして取り扱う。様式85を地方厚生(支)局長等に届け出ていない場合は本要件を満たさないものとして取り扱う。ただし、開設から1年に満たない保険薬局で、妥結率等に係る報告書の提出経験がない場合は本要件を満たしているものとみなす。

様式85を出していなければ、その一点だけで加算1が落ちます。加算1が落ちれば加算2〜5もすべて算定できません。まずここを確認してください。

「単品単価交渉に該当しない」4つ

ア 総価値引率を用いた交渉(総価交渉や総価交渉除外有りを含む。)

イ 全国最低価格に類する価格をベンチマークとして用いた交渉

ウ ベンチマークを用いた交渉のうち、配送コストなどの地域差及び購入金額、支払条件、返品、急配等の取引条件を考慮していない単価をベンチマークとし、当該価格で決定する一方的な交渉

エ 法人格・個人事業主が異なる加盟施設との取引価格の交渉を一括して受託する業者の価格交渉について、加盟施設ごとの地域差や取引条件等を考慮しない取引価格での交渉や加盟施設の確認が行われない交渉

エは、価格交渉の代行業者を使っている薬局を名指ししています。

該当してしまうのは、こういう場合です。

  • 加盟している薬局ごとの地域差や取引条件を見ずに、一律の価格で決めている
  • 加盟施設への確認を経ずに妥結している

「代行に任せているから大丈夫」ではありません。任せ方が問われます。

なお、そもそも単品単価交渉とは何かも定義されています。

「単品単価交渉」とは、他の医薬品の価格の影響を受けず、地域差や個々の取引条件等により生じる安定供給に必要なコストを踏まえ、取引先と個別品目ごとに取引価格を決める交渉をいう。

経過措置の期限は令和8年11月末です

令和7年度に妥結率等に係る報告書を提出している薬局は、「単品単価交渉を行っていない」に該当していたかどうかにかかわらず、令和8年度の報告書の提出期限である令和8年11月末日までの間に限り、要件を満たすものとみなされます(疑義解釈その7)。

裏を返すと、この11月末に出す報告書で「行っていない」に該当すると、そこから算定できなくなります。いま該当している薬局は、それまでに交渉のやり方を変える必要があります。

疑義解釈その7(令和8年5月29日事務連絡)から、単品単価交渉の経過措置に関する問答を並べた図。別添3 調剤 問1の答えは、令和7年度に妥結率等に係る報告書を提出している保険薬局は「単品単価交渉を行っていない」に該当していたかどうかにかかわらず、令和8年度の妥結率等に係る報告書の提出期限である令和8年11月末日までの間に限り、特掲施設基準通知の第92 地域支援・医薬品供給対応体制加算の1(2)オの要件を満たすものとみなす。別添1 医科 問9の答えは、直近に提出した妥結率等に係る報告書で「単品単価交渉を行っていない」に非該当であることをもって要件を満たすものとし、報告書を提出していない場合は要件を満たさないものとするが、開設から1年に満たない場合又は許可病床数が200床以上である病院でない場合は満たすものとみなす。別添1 医科 問10の答えは、令和7年度に報告書を提出している保険医療機関は令和8年11月末日までの間に限り非該当であるものとみなし算定不可とはならない。医科側の対象はA243地域支援・医薬品供給対応体制加算及びF100処方料の注8地域支援・外来医薬品供給対応体制加算
厚生労働省保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その7)」(令和8年5月29日事務連絡)別添3 調剤報酬点数表関係 問1/別添1 医科診療報酬点数表関係 問9・問10

確認すること

  • ◻️ 様式85(妥結率等に係る報告書)を提出している
  • ◻️ 直近の様式85の「3の(1)」で、「単品単価交渉を行っていない」に該当していない
  • ◻️ 総価交渉(総価交渉除外有りを含む)になっていない
  • ◻️ 全国最低価格に類する価格をベンチマークにしていない
  • ◻️ 代行業者に委託している場合、自局の地域差・取引条件が考慮され、自局の確認を経て妥結している

なお、この要件は医科の「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」にも同じ形で入っています。連携先の医療機関も同じ確認をしているはずです。

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株式会社メディカルリソースが運営する薬剤師専門サービスです(2000年設立)。転職だけでなく「派遣」を扱っているのが特徴で、有料職業紹介(13-ユ-010743)と労働者派遣(派13-010770)の両方の許可を持っています。拠点は全国12支店。運営元は日本調剤グループです——選ぶ材料になるので書いておきます。

「派遣」は、常勤か辞めるかの二択しかないと思っている人ほど知っておく価値があります。いま動く予定がなくても相場は交渉材料になりますし、地域差は大きい——厚労省の偏在指標で見ると、足りない地域ほど条件は動きます。在宅に移りたい方は「力を入れています」を届出で見分ける方法もどうぞ。

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出典

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